神さまありがとう第7回

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          ~発達障害に生まれて~小学校



母親の虐待が激しさを増すさなか、いつも、どこへ行っても浮いてばかりいた子ども時代、今にして思えば、これも、あれも、自閉症および発達障害者の様相を示していたのですが、もちろん、自閉症おろか、発達障害ということばすらなかった時代です。今でこそ「幼稚虐待防止」と騒がれますが、その観念もなかった時代でもありました。幼稚園にいるよりも、家で1人で遊んでいる方が楽しい。。。わたしは、そう感じたから、つまらない幼稚園を飛び出して、すぐに家に帰ってきていたのに。案の定、親からも、幼稚園や保育園からも、怒られました。


でも、なぜ怒られるのか、わたしにはさっぱり理解できませんでした。自分が安心できる場所になぜいたらいけないのだろう???というのが、幼かったわたしが思った事。でもうまく言葉で説明できないので、黙ってうつむいて大人の言葉を聞いているだけ。

これをいうと、とっても不思議がられるのですが、転ぶとき、多くの人は、両手を前に出して自分の体が傷つかないように、支えますよね?

わたしには、この観念がまったくなかったのです。だから、転ぶ時はまっ正面から道路にばったんばったん転んでいました。

その頃、不思議で不思議でたまらなかったことがありました。自分の両側についている腕は、いったいなんの目的で”ついている”のだろうと言うことでした。時々両手の平を眺めては、「この両手って、どういう使い道があるのだろう??」と考えていました。

こんな事を考えるって、おかしいと感じる人の方が多いかも・・・でも不思議に思えてきてしまう事は、どうあっても否定できません。

と、いうのは、両手をただ、両側にぶらりとぶら下げているだけだと、両手が手持ちぶさたで落ち着かないという、困った心境にたびたび襲われていたのです。手の置き所がないという、困った感を、どう周囲の大人に説明したらいいやら。

でもまもなく、その答えを見つける事となります。

おそらく小学校3年?くらいの頃だったと思います。わたしは手持ちぶさたの両手をとりあえずポケットに隠して歩いていました。

保険体育の全学年集会のおり、先生のひと言に、激しい衝撃を覚えたのです。

おそらく生きている間に、これほどの衝撃を受ける体験は、ないかもしれません。


先生が放った、たったひと言とは・・・・

「歩くときは、両手をポケットから出して歩きましょう。さもないと、転んだ時に、ちゃんと両手で体をささえてあげることができなくなります


両手で体を支える!!

あ、そうか、この両手には、そういう働きがあったんだ!

こんな単純な事を小学校3年になるまで、知らなかったなんて!

それから転びそうになると、意識的に両手を前に出すように心がけました。そのうち、自然に両手を前に出す事ができるようになりましたけどね。

わたしは、多くの子どもよりも、平衡感覚がかなり乏しく、ほんとによく転びました。足下の石に気付けないまま、転ぶことしばしば。

「なんで、この子は足下をみないのか」と、周囲の大人で不思議がる人は多かったですね。本人にも、さっぱりわかりません。

乳幼児によく見られる「なんでもおしゃぶり」してしまう動作。

わたしは、30歳近くまでやっていました。とにかく不思議に思うことは、確認をしないと前に進むことが出来ずにいましたから。

ある時、「なんでも口にすると危険よ!毒草にあたったら、どうするの?」

という共働学舎・スタッフのひと言に、またまた大衝撃!!

「自分の身近なところに、毒草なんてあるんだ、しゃぶってはいけないものが存在していた!」という驚き。

「そこまで説明しないと、わからないなんて!」と、後ほど、発達障害者の学びと交流会を開いた際に、親の立場にある人からびっくりされて、わたしがびっくりしました。

今まで、不思議と思わなかった、わたしの言動が、不特定多数の人にとっては不思議に映るという新事実・・・

実は聴覚過敏も、すでに幼稚園の頃には、わたしにとって困り感いっぱいいっぱいの事になっていました。

バスや電車のエンジン音で、すぐ隣の人の声が聞えず、会話がなりたたないという現実。

さらに人の声がざわめく喫茶店などでは、隣の人の声がまったく聞えない・・・・

運動会の時の「よーいドン!」のピストルの音や犬の吠え声、電話のベルの音・・・

苦手な音が多い、突然の予定変更についていけず・・・・

学校でしばしば開催される身体検査のうち、聴覚検査では問題が全く発覚せず。

メモが上手にとれない、人の言葉が頭の上を通りすぎて、まったく頭に残らない。

異常なまでの過集中・・・・

どれもこれも、今なら自閉症の症状として、受止めてくれたろうに。

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