友達家族 〜親が子供になる〜 第一夜
現状にはそれなりの理由がある
朝、早く起きなくちゃいけない…そう思っててもなかなか起きられない。
まだ寝ぼけて布団でうだうだしてる私に、ささっとコーヒーとパン、目玉焼きを焼いてくれる彼
…実はまだ高校生である
所帯染みた高校生は母のために色々と世話をしてくれるが、このようになったのには、今までいろいろな出来事があったのだ。
うちの家族は年子の男の子が2人と私の3人家族、昔の私はそれこそ普通のお母さんと同じで家事、育児、パートをこなし、毎日忙しく働いていました。
私たち3人の生活は小さな家から始まりました。
この友達家族になるまでにはたくさんの出来事がありました。
子供を通して、自分の人生を見直しながら自分が心地よく生きるために毎日を過ごして来たらいつの間にか友達の様な家族関係になっていました。
それまでの私たちは年下の夫との4人暮らしでしたが、まるで子供が3人いる状態で、初めての母親業にも関わらず、私以外はみんな子供のような状態だったので、本当に辛い結婚生活でした。
そして結婚したはずなのにお金以外はひとりですべてを仕切って、家族の為に頭を悩ませていました。
悩み事を聞いてもらいたくても面倒くさがるのに、相談しようと母に電話すると嫉妬して怒り出す夫…
いろんな不満の積み重ねで私の心はガラスが欠けていくようにヒビが入っていきました。
そんな夫との生活に我慢の限界が来たのか、それとも私の心が完全に壊れていったのか…
些細な事から大喧嘩になったのに、仲直りもせずに私に迫り、嫌がる私を抱く夫…
横で何事も無かったかのように気持ち良さそうに眠る夫の顔を見ていたら急に殺意が芽生えたんです。
夫の喉を今、絞めたらどうなるんだろう…
私はそんな事を考える自分にショックを受けました。
だって私はそれまでいい子ちゃんで育ってきて、悪いことなんて考えないし、やらないと思っていたんです…それなのにこの殺意は何!?
私の中にそんなモノが芽生えるなんて信じられない…
呆然とした中、夫の寝顔を見ながら必死で頭を働かせました。
ここで夫を殺したとして…
1.殺人者になり子供たちを殺人者の子供にする
2.こんな夫とは居られないから私が死ぬ
3.子供を連れて夫から逃げる
子供を殺人者の子供にはしたくないし、私が死ぬのはまだやりたい事がいっぱいあるから嫌!
そしたら何があっても子供たちを守って私が夫から逃げるしかない?
そう思ったのがお兄ちゃん2歳、ちい兄ちゃん0歳の秋のことでした。
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