友達家族~親が子供になる~ 第二夜
子供と私の小さな幸せ
小さな子供を連れて夫の元から逃げよう!思い切って家を飛び出す覚悟をしました。
移り住んだのは小さな部屋…3人で過ごすのにちょうどいい1DK
3人で暮らし始めたころ、お兄ちゃんが話した言葉でみんなで大笑いしたことがありました…
私、その時気が付いちゃったんです、久しぶりに大笑いをした事を。
それまでの私は結婚も出産も育児も…すべてが初めての事ばかりで本当に一生懸命で、心に余裕が持てなかったんです。
私は私なりに考えてた理想の家庭を作ろうと必死でした。
だからこそその理想の家族になるために、私がしっかりしなくっちゃ!とずっと気が張っていたんでしょうね…
しかも実母には…
「あんたが年上なんだからしっかりしなくちゃダメなんだよ!」とか…
「子供を作った責任はちゃんととって面倒を見なくちゃダメだよ!」とか…
「他のお母さんもみんな苦労して通ってきた道なんだから」など…
今から考えればプレッシャーになる事ばかり言われて、私の心はどんどん追い込まれて行ってたんです。
だからこそ家の事を一緒に考えてくれず、今までと何も変わらず自由気ままで身勝手な夫にイライラして、どんどん気持ちもギスギスしていったんでしょうね。
離婚した後…
子供を寝かしつけてから、夜いろんな事を考えてしまい、なかなか眠れませんでした。
1人で小さな子供を抱えて飛び出したはいいけど『これからどうしたらいいんだろう…』という
不安も残り、深夜になればなる程いろんな事を1人でもんもんと考えこんでしまい、何度も泣き明かした夜がありました。
ある時ふとした事で昼間、子供たちの前で泣いてしまったんです。
その時にお兄ちゃんも一緒に泣きだしました…。
何も悲しいことは何でしょ?
そう言ってワンワン泣くお兄ちゃんを横目に、私は子供たちの前では泣かない事を心に誓いました。
私は1人で子供たちの面倒を見てると思っていましたが、子供たちも私を支えてくれていたんです。
それに全然気づかずに私は親だからと1人で片意地を貼っていたのかもしれない。
それだけ夫との結婚生活は私にとっては未知なる世界を必死で駆け抜けて、イライラしながら幸せな私の理想の家庭を作りたかったのでしょう。
親が1人で子供を育ててるなんて思うのは間違いなのではないかと思った瞬間でした。
だけど現実的には私が生活の為にいろいろと動かなくてはなりません、
その頃、心が病んでしまったからか、必要に迫られないと外に出れなくなっていた私は、
生命の危機の時=食料が無くなった時以外は家に引きこもりがちでした。
道端で後ろからコツコツと音が聞こえるだけで怖くなってしまったり、エレベーターやエスカレーターに男性と一緒に乗る事が出来なくなって身震いするほどの恐怖が襲ってきました。
…それ程、夫の事が嫌いだったのか、怖かったのかは分かりませんが、気が付けばすっかり男性恐怖症を通り越して人間恐怖症になってました。
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