初めて通った声優養成所/老舗のスパルタ教育・その4(全5回)

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前編: 初めて通った声優養成所/老舗のスパルタ教育・その3(全5回)
後編: 初めて通った声優養成所/老舗のスパルタ教育(最終回)
学院に入って初めての夏休みが終わり、
クラスの人数は入学当初の3分の2に減っていた。
授業が厳しいという理由もさることながら、
やはりしばらく間が空いてしまうと、
ついなまけ癖が出てしまい、毎日やっていた滑舌も、
バイトや勉強が忙しいという理由から徐々にサボり始め、
やがて学院に行くこと自体が嫌になるのである。
もちろん、中には本当にプライベートが忙しくなってしまい(例えば親が病気になってしまった等)、やむを得ず退学する者も、僅かながらいたのではないかと思う。
辞めてしまうと自然と疎遠になってしまう為、
詳しい事情はあまり聞けなかった。
とにかくこの学院で一番厳しい(辛い)のは、
自身との闘いを強いられまくることではないかと、私は思う。
常に他人(同期や先輩)と比べられ、自身のレベルの低さを毎回思い知らされるのである。
「まずは自分のダメさ加減を知ること」
これもしょっちゅう耳にした言葉だ。
皆、学院にくるまでは、とことん自身と向き合うなんていうことはなかったのではないかと思う。
小さい頃からわりと自身と向き合って生きてきた私でさえ、向き合い方が俄然甘かった、いや、甘すぎた(←角砂糖10kg分くらい)ことを思い知らされた。
「上には上がいる」
この学院内だけでも芝居の上手い人が何人もいるのに、
現場に出たら、それ以上にスゴイ人達がもっとたくさんいて、いずれはそういう人達と同じ土俵で闘っていかなければならないのである。
学院長は、いつも芝居が上手い同期(あるいは先輩)のパフォーマンスをその場で見せ、
「ほら。君たちもせめてこれくらいはできないと、箸にも棒にもひっかからないよ?」
と、よく言った。
他人と比べる。
一般社会ではあまり良いこととされない場合が多いが、

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