ハンドボール

次話: ハンドボール 第二回

毎年、夏になると思い出す「想い出」があります。

あの突き刺すような日差し、肺の中まで熱くなるような熱気を感じるようになると、必ずと言っていいほど、僕は「部活」を思い出します。そんな中学時代の部活動のお話。


僕が通っていた中学は部活動の盛んな学校でして生徒は必ずどこかの部に在籍しなければいけませんでした。


小学生の頃はサッカークラブという課外活動のクラブいましたが、サッカークラブの面々にあまりよく思われておらず、というかイジメですね、軽い。下手だったし、サッカーはやめてしまいました。

でも、下手な割にスポーツ好きという人間だったので中学に入ったら

「さぁ、何をやろうかな(”?)」と期待に胸膨らませてました。


空手部があれば空手部に入ったんでしょうが、生憎そんな部はなく、小学校の時にやってたサッカー部は「ヤンキーのたまり場」(ROOKIESみたいな感じ。ま、あんなかっこよくないですが)だったのと、僕をイジメてた人間がいる、足が短くなるという親からのマイナスにより却下。


幼馴染みが水泳部に入るとは言うけれど僕は泳げないので却下、といった感じでとにかく悩んでました。


父母ともに部活ではそれなりに活躍してたそうで(オヤジはテニス県大会出場?&オカンはバスケで全国大会だっけ?)、消去法の結果、母がやってたバスケ部にでも入ろうかなぁなんて思ってたところ、同じクラスの友人から


「まだ決まってないならハンドボール一緒にやらない?」


と声をかけられました。


その友人は、「頭はいい」、「スポーツ万能」、「イケメン」という三拍子揃った友人だったんで(クラスに一人ぐらいはいますよねこーいうヤツ)「コイツがいるなら一緒にやってもいいかな」と思い、断る理由もないのでハンドボールとやらをやってみようかなってことでハンドボール部に入部しました。


当時のハンドボールはあまりメジャーなスポーツではなく(今でもそうかもしれませんけど、それでも宮崎大輔選手の活躍でかなり脚光浴びるようになったと思います)、僕もどんなスポーツなのか皆目検討つかない。


そしてウチのハンドボール部はまだ出来て2年目という新設部でコートはグラウンドの端っこで、コートとして使えるようにするために自分達で薬撒いたり、草抜いたり、平地になるよう土運んだり、そんなことからやってました。


ハンドボール部に入部するとまぁ運が悪いのか縁があるのか、空手をやってる隣の小学校だった奴らもいる(僕は小1で転校してて、隣の小学校というのは転校する前にいた学校。空手はその小学校の体育館でやってて空手はそのままそっちで続けてた)。


またコイツらが僕は苦手でして、空手上手いし、強いし、明らかに僕に対して上からの物言いする輩で。で、僕が空手もハンドも下手(というより運動自体苦手)でしょ?バカにされる要素が増えるだけなんですよね。


ただ唯一の救いは僕を誘った友人の存在。


一年生ながら群を抜いて上手くて、頭一つ抜けてたんですよ。

僕の中では「コイツがいれば大丈夫(味方がいる)」みたいな感覚だった。

そしたらその友人、

一年生の夏休み中に隣の市に引越しちまって。


当然、友人は「転校」です。

僕がハンドボール部に入部したのも、好きでもないのにやってたのも、その友人がいたから(ま、お付き合い)。


ハンドボールやる理由失くなっちゃったんですよね。

かといって今更、転部もしたくないし、あの怖い先生(ウチの中学で当時一・二を争うスパルタ教師)に「辞めたい」と言う勇気もない。ということで、そのままダラダラと続けてました。

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