女の子の可愛いは、女の子にしか作れない。私がカメラマンになった理由
モデル:メカタンキルキルユー
そこからはアイディア出しとの戦いだった。
次の撮影するモデルさんは妖精をテーマにして、井の頭公園で撮ろう。
その次のモデルさんは制服で、学生風にして、都会で撮ろう。
小道具は全部自分一人で用意した。
その頃には、2D×3Dという企画で、お皿をもっている風なポーズをしたモデルさんの写真に後からイラストでケーキを持たせたり、小道具として持ってもらった水鉄砲から水を飛ばすイラストを足したりしていた。
とにかく、全部一人でやった。
その頃から、撮影に協力をしてくれる人が出てくるようになった。
衣装のレンタルをしてくれる人、モデルつながりで次のモデルを紹介してくれる人、宣伝をたくさんしてくれる人
私一人の戦いに賛同者が出てきてくれたのだ。このままいけるところまで行ってみたい。
大規模撮影という、夢
私は、大規模撮影と表して、11人のモデルを集めて、今の私ではとうてい借りられそうにもない値段のスタジオを借りて、女の子同士のパーティーをテーマとした「Girls Party」を8月に企画した。
もちろんお金もない。大してモデルさんの知り合いも居ない。スタジオ代割り勘でモデルもいない中、私はどうするつもりなんだろう。不安だった。
すると、今まで撮影をさせてもらっていたモデルさんから他のモデルさんへと話が行き、芋づる式のように繋がって、あっという間にモデルさんが11人集まったのだ。
名前だけは知っている、有名なツイッターのモデルさんがそこにはたくさんいた。
中には、私の写真が好きだったといってくれた人もいた。
私が決意を固めたあの日夢見ていた光景が、スタジオにあったのだ。
撮影後、モデルの皆が、ツイッターで可愛くとって貰えたとツイートしてくれた。
涙があふれて、お礼のリプライを飛ばす作業は何日も続いた。企画「Girls Party」は成功したのだ。
(最後の方で撮ったので、全員の集合写真がありませんでした。)
半年後
そこから時間はかなり飛ぶ。
11月中旬の現在の私の話をしたいと思う。
今の私は、素人の無償で写真を撮る、「自称」カメラマンから「プロカメラマン」となった。
まだまだプロとしては未熟だが、金銭が発生するような撮影にも呼ばれるようになり、実験的に作った自分の撮影した作品を売るWEBショップも上手くいき、それと並行して、兼業していたイラストレーターとデザイナーの仕事も安定してきたことから、会社勤めではなく、フリーランスとして暮らすことを選んだ。
また、同時に写真を撮っていく中で、
「写真を撮られてインターネットに載せられるということは、それを保存した誰かが何に使うかわからないということ、自分の顔をどんな情報も永遠に残るインターネットに残すこと」
というハイリスクを背負っていることに気づき、写真を撮らせて貰うなら自分自身もコンテンツとしてインターネットに顔を載せなければフェアではないという考えに至った。
私は積極的に自分の顔や、おふざけをした写真を今、Twitterに載せている。
(マジで落ちるところでした)
インターネットは、怖い。
モデルさんの写真をわざわざリツイートしてまで嫌味を言う人、
悪意ありきで撮影依頼をモデルさんにするカメラマン
何の疑いもなく、モデルとして選ばれたことにただ嬉しいという気持ちだけで依頼を受け、傷つく女の子。
そんなものが、まだまだ溢れている。
多分、今の私じゃ大声で「そんなこと間違ってる」と言って、インターネットの流れを変えるだけの力はまだない。だからこそ、この気持ちを一人でも多くの人に見てもらいたいと思って、この文章を書くことを決めた。
私は、モデルさんを守りたい。
インターネットで傷つき消えていってしまった、モデル活動を辞めてしまった、大好きだったTwitterの子達が、いつか「えだまめにだったら撮られてもいいかな」と思って戻ってきてくれることを待っている。
「女の子の可愛いは女の子にしか作れない」
23歳の、女の子とは言えない歳かもしれない私がテーマとして掲げたこのキャッチコピーを変えることは、おそらく今後一生ないだろう。
廃墟でモデルさんを撮ったり、緊縛をしたり、露出をさせた写真を撮るカメラマンさんを私は否定する気はない。
そういう需要があることも知っているし、モデルさんも納得していてそれが成り立っているなら、そういうものだって広いインターネットなのだから、あってもいいと思う。
表現の仕方は自由だ。
傷つく人がいないのなら。
最後に
この私の写真に興味があったら、ぜひ作品集のTumblrを見て頂いたり、Twitterもフォローして頂けたら幸いです。
その中には、今まで半年間、私がやってきたことがすべて載っています。
そしてもしも、私という人間に興味があったら連絡を下さい。
依頼でも、質問でも、なんでも構いません。
これで私のお話は終わりです。
インターネットでこの文章を見てくれているあなたへ
カメラマン えだまめより
作品の一部
モデル:凪紗
モデル:佐藤椿
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