おばさんと無農薬レモン その3
微生物に、3個で1袋のレモンを20袋渡した。
「う~ん、おばさん手間がかかるだろうし、うちはばらして送るから袋はいらないなぁ。」と微生物。
その希望をおばさんに伝えた。
でも、次にレモンをわけてもらったときも、3個が1袋に入ってた。
「おばさん、袋はいらないみたいよ。」
そう伝えると、おばさんは口ごもった。
「ぼっこで薬かけてにゃあからぼこぼこだけど。」
聞くたびに悲しくなる言葉。
「これがいいんだよ、これを探してる人いっぱいいるよ。」
そう伝えた。
微生物に渡しながら、
「袋は要らないって言ったんだけど。」って言ったら、
「3個1袋じゃないと出荷できないときがあったのかもしれないね。
薬だってかけないと出荷させてもらえなくて、ずいぶんつらい思いをされたのかもしれないね。」
と微生物が言った。
そうかぁ。
それで、いつも話がループしちゃうのかも。
薬をかけないぼっこのレモンは売る価値がないというおばさんと
薬をかけてないレモンは価値があって、ぼっこは薬をかけてないしるし、すごく価値があるというわたしとで。
おばさんからぼっこで申し訳にゃあけどって聞くたびに悲しくなった。
素晴らしいレモンをつくってるのだと誇りを感じてもらうのにわたしにできるのは何だろう?
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