仕事を辞めてフィリピンで大学院生をしている話【第4話】
国立フィリピン大学、アテネオ・デ・マニラ大学、デ・ラ・サール大学、サント・トマス大学、ファーイースタン大学はフィリピンでは上位の大学との話をオンライン英会話の先生から聞いていた。
こちらでは日本のように偏差値で大学のレベルを計るということは行われていないようで、大学の優劣は主に著名人が卒業したとかいったことで決まったりするようだ。ちなみにフィリピンを独立に導き、スペイン軍に銃殺された国民的英雄ホセ・リサールは、アテネオ・デ・マニラ大学とサント・トマス大学を卒業している。マニラのイントラムロス近くにあるリザール・パークにはホセ・リサールが処刑された場所にその時の様子を模した銅像があるので、ここを訪れた際はぜひ見ておくといい。
日本に居た頃から度々フィリピンの主要大学のウェブサイトをチェックし、入学関連の情報に努めていたが、正直苦労した。いま思うと留学生向けの情報を詳細に載せている大学は少なかったように思う。
マニラに到着した後、仲の良かったオンライン英会話の先生とマニラ市内を観光していた時に、ショッピングモールにある大手の書店兼文具屋であるNational Book Storeに行って受験の参考書や問題集を買うことにしたのだが、こちらでは受験産業は盛んでないのか、書棚の一角に数冊の問題集がある程度だった。表紙にはフィリピン大学、アテネオ、デ・ラ・サール向けと書いてあった。科目は英語、数学、物理、知能テストだったと思う。
また、ここは日本ではないので当たり前なのかもしれないが、大学の願書は書店には置いていない。大学に問い合わせて申し込む必要がありそうだと思った。
その後、大学院に入学するための情報を集めるため大学回りをすることにした。大学は基本的に平日にやっているので、語学学校の授業は休むことにした。先生達は別の日に埋め合わせの授業をしてくれると言ってくれたが、先生のプライベートな時間を使ってやるので申し訳ないと思い断った。
電車(LRTとMRT)やジプニー、FXタクシー(乗り合いタクシー)といったものがこちらの主要な交通機関なのだが、乗り方すら分かっていなかった私は一番無難なタクシーで回ることにした。行き先はGoogle Mapsでおおよその場所の見当をつけていた。
タクシーは初乗り40ペソ(当時1ペソ≒2.4円くらいだったと思う)と日本と比べるとかなり安いが、それでも一日乗り回せばそれなりの金額になると思ったので、チャーターすることにした。路上でタクシーを拾ってチャーターの交渉をすると、1時間あたり350ペソでどうかとのこと。6時間乗って2000ペソちょい、相場はよく分からなかったが路頭に迷うよりはましと思って承諾した。
後々知ったのだが、タクシードライバーは毎日車のレンタル料を払っていて、それが1日だいたい1000ペソ、ガソリン代も自腹で払って残りが自分の手取りになるシステムらしい。日本とはだいぶ異なるシステムだ。タクシーに乗って渋滞にハマると運転手がイライラしだすのは、ガソリンの消費量を気にしてのことなのだろう。ガソリンの値段が日本並みに高いので大変そうだ。
これからしばらく一緒に行動することになるタクシー運転手のダンさん
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