普通のアラサーOL事務職が、資金なし・コネなしでソチオリンピックに行き、ロシアへ感謝を伝えた話。

3 / 3 ページ

この競技や選手に、想いがないとこの場所までは来ていないと思います。きっと観戦されている方にも、それぞれいろんな人生のドラマがあるはずです。私が、この国の選手のスケートにいつも励まされて、ここまで来たように…。


第2グループ。早すぎる浅田選手の登場でした。最終グループで滑る姿しか、誰しも想像していなかったでしょう。


会場は異様な空気でした。「なんとか、少しでも浅田選手にホームを感じて欲しい」みんなそんな気持ちだったと思います。頑張ってよりも、彼女自身が納得出来る演技を。私も、名前を叫び続けました。すでに涙腺が緩んでいました。


最初のトリプルアクセルを降りた瞬間の、悲鳴に近い歓声。そして、次のトリプルルッツからトリプルループのコンビネーション。ずっと回転不足をとられて試合に組み込むことさえしなくなっていた、高難度の技です。「これで本当に最後だ。」そう感じたファンは少なくないでしょう。


どんな状態でも、すべてを振り絞って、ここに出し切る。


まるで、彼女の人生がそこにあるようでした。


そして、会場はスタンディングオベーションへ…!!



泣いていました。文字通り声をあげて、泣きました。お恥ずかしながら、隣のロシア人女性に慰められたくらいです。点数が出た後も、そして浅田選手が裏へ消えていくまで、背中が見えなくなるまで、彼女の名前を呼ぶ声は止まりませんでした。



ビックリしたのは、昨日私たちを案内してくれた、オリンピックパークで働いている女の子が、歓喜に沸く私たちを見つけ出してくれたことです。ボランティアスタッフには、彼ら用にチケットが用意されているそうなのですが、フィギュアスケートはなかなか人気で手に入らなかったそう。しかし、当日の開始時間に見つけて会場に入って、「横断幕の場所でわかった」というのです。


彼女もその時、泣いていました。韓国の選手も、ロシアの選手も、金メダル候補です。フィギュアスケートを愛する彼女が、こうして国境を越えて、一緒に喜んでくれたことに心から感動しました。


一度、会場の外に出ると、先ほどのおじさまも発見…!!名前も知らないもの同士、抱き合って喜びました。


その後も最後まで、素晴らしい試合を見させてもらいました。この場所を構成する1人であることに、心からの感謝を。


選手たちがいちばんですが、きっと誰1人かけても、この場所は存在しなかったと思うのです。もしくは誰か1人が違えば、違う結果になっていたこともあるのかもしれない。誰かの声援が誰かの勇気になるように、誰かにかかるプレッシャーになっていたかも。1人が叫び出さないと、あのコールは起こらなかったかも。


実際に会場にいてわかったことですが、きっと地元のファンの方にとっても、かなり高価なチケットだったと思います。なので、実際フィギュアスケートのことやメダル候補の選手もわからずに入っている方も多いようでした。だからこそ、こけて喜ぶということや、あまり良くないタイミングでの自国コールもありました。


ロシア国内のニュースも、ある選手へすべての注目が集中していました。これはロシアだけではなく、日本も他の国もそうだったかもしれません。


こんな事情、ひとつひとつでも変わったのかもしれない。ただそれに善し悪しはありません。何かが原因なのではなく、ひとつひとつが繋がっている今。それがすべてでした。



『これが、オリンピック。普通の試合ではない。


フィギュアスケートの試合とは別物。

国と国の戦いであり。

国という観念も、国や個人によって違う。


このスポーツを愛している人だけが見ているわけでもない。

会場にいるわけでもない。


そして、4年に1回しかなく、まさかが起こる。

誰が注目されるかもわからない。


選手だけではなく、見ている人もそう。

誰が何を感じ、どう表現するか。

そして、誰がどんな影響を与え、誰がどんな影響を受けるか。

一人一人の人生がそこにある。 


それだけ、であり。

だからこそ、でもある。


良いも悪いも、何もない。


私の人生も、そこにありました。

それを感じることが出来て、幸せでした。


経験し難い時間を、ありがとう。


生きた。

そこに生きた。』



そして、帰国

たくさんの思い出を胸に、私は帰国の途につきました。今までお世話になった方々に、あんなことを伝えたい、こんなことを伝えたい…と、ワクワクしながら。少しの寂しさと共に。


そして、皆さんからのコメントを見ながら、本当にやって良かったなと思いました。「勇気や感動をありがとう」「自分もチャレンジしてみようと思った」「子供に見せたら、『やりたいことをやるって言うだけじゃなく行動するのが大事やねんな』って言っていた」という声、「おかげでいつも以上にオリンピックが楽しめたよ!」という声も…。


どれも私がこうなったらいいなって思っていたこと、それ以上のことを皆さんが伝えてくれました。感謝、感激、感動、幸せ、喜び…すべての言葉を使っても伝えきれないほどの感情です。この感情は誰しもが体験出来るものではないと思っています。そして、1人では絶対に無理です。私にとっての大事な宝物です。

自宅に帰り、落ち着いた時にこんなメッセージを書きました。最高に想いをこめて、書いたつもりです。

『戻ってきました、日本。

たくさんの方に、私の夢を叶えてもらいました。

言葉にすると安っぽくなるかもしれませんが、私に渡してくださった気持ち、そのどれ一つが欠けても、今はありません。一緒に素敵な形に作ってくださって、本当にありがとうございました!!

ロシアでも、たくさんの人に助けてもらって。
最高のチャンスをもらったり、最高の経験をさせてもらって。
ロシアとロシアの人が、更に大好きになりました。

これは、普通の旅行で経験出来たことでしょうか??
そして、普通の旅行より、楽ちんだったと思いますか??

結果が全て、と言われました。
それは、本当にこの企画を初めて最初の頃です。
それがYesともNoとも思いません。

でも、結果が全てというなら、今の状態は最高の結果です。

私は、自分のためにやりました。
正直、無茶だと思います。
無茶だから、やりたかったんです。


私はこれを成し遂げることが出来たら、やりたいことをやりたいって言える人が増えて、人生を楽しんでるおもしろい大人が増えて、それを見て子供たちの可能性が拡がる世界になれば最高だなって思いました。

この企画が盛り上がって、たくさんの方が周りでワクワクして楽しんでくれて、エネルギッシュになって、オリンピックも更に楽しんでもらえたら、最高だなって思いました。 


そして、こんな大事なことを知らないなんて悲しすぎるよと思っていた2011年の世界選手権にまつわるストーリーも。
私だけじゃなくて、たくさんの方の想いが乗れば、すごいパワーになるって。

それを感じることが出来たら、「私が」幸せだなと。
だから、やったんです。
何故か、そのイメージが頭に浮かぶ時、幸せだったから。

不思議だけど、私の中の神様が、やれって言ってると感じました。
大丈夫だから、それで合ってるから、やれって。
応援してくれてる人が現れる時もまた、神様のようで、大丈夫だからやりなさいって言ってくれてるみたいでした。

「私の夢が叶う」だけでは、出来なかったと思います。
それだったら、もっととっくに出来てる。

そして、今。
私はまさしくイメージ以上のものを得て、イメージ以上に幸せです。

最初から最後まで、私のイメージは変わりません。
けど、伝えれていたか、伝わっていたかはわかりません。

我ながら不器用な部分も多々あったと思います。
それでも、話を聞こう・理解しようとしてくれて、信用して応援してくださった皆さん、心から感謝でいっぱいです。


そして、私がやってきたことに対して、感じたことを渡してくださった皆さん。
本当にありがとうございます。

それがなければ、私の幸せもないのです。

というか、何ひとつ欠けても、私の幸せはありませんでした。

まだまだFacebookで伝えきれてないことがあるので、改めて形を変えて、お伝えしていきたいと思います。
お一人お一人に感謝を伝えにいくつもりですが、まずはこちらにて。

そして、これからの生き方。
実はなんとなく予兆を見つけてから、日本を出発しました。

ワクワクして、楽しみで、仕方ありません(((o(*゚▽゚*)o)))


以前、つぶやいたことがありますが。

人生とは、まさしく、自己表現です!!』


これからやっていきたいこと

あれから、1年が経ち。しばらくの紆余曲折を経て、会社を辞めました。


私が勇気を持って、心からやりたいことに対して行動するだけで、喜んでくれる人がいるということがわかったから。そういう生き方をしていきたいと思ったのです。


私はずっと凡人である自分が嫌いでした。何者でもない「ただの事務職OL」な自分に、自信がありませんでした。何かをくっつければ変われるんじゃないかと思って、いろんな知識や、時には資格をくっつけようとしました。すると、今度はそれにとらわれすぎて、自分を裁き始めたのです。


本当は全部、自分の中にあったというのに。ゴシゴシ必要以上の力で「自分磨き」をして傷をつけ、外へ外へ「自分探し」をし、中にいる「自分を無視」し「自分を悪者にする」という「自分いじめ」です。

かなりひどい、いじめです。

だけど、自分の中の声に耳を傾けはじめた時から、すべてが変わりました。

まずは100人企画。そして、この『私をソチにつれてって』企画でした。最初は勇気がなくて怖気づいたけれど、何度も何度も「やれ」という声が聴こえました。これを無視するのをやめたことで、もっともっと、次の声が聴こえてくるのです。

人間も同じ。誰かがあなたに好かれと思って言ってくれていることを、ずっと無視し続けたら、その人はきっと何も言わなくなってしまうと思います。自分の声もきっと同じです。

自分がこうしなさいと教えてくれることは、ちょっとキツイなと思うこともあるかもしれません。「え、そんなこと?」というような突拍子のないこともあるでしょう。だけど、それはきっと幸せに繋がること。私は、自分を不幸にしたい自分なんて、いないと思っています。

気のせいにして、なかったことにしたり。行動しないことの言い訳にしたり。それはもったいないことだと感じます。

自分の声に素直になって、生きていくこと。それが長い目で見ると、幸せに生きていく近道だと、思うから。そして、それが「自分らしさ」に繋がるのではないかと考えています。

自分の声に従う人生こそ、「自分らしい」生き方。そして「自分らしさ」とは、あなただけが持つ才能だと思います。誰も持っていません。わかりやすく名前の付けられるものでないときもありますが、不安にならないでください。生きている限り、確かにあるものですから。

自然に喜びと共に出来ること、それこそが才能。才能を発揮して生きていく。そして才能と才能を交換することで、成り立つ世界。それこそが私の理想です。

だから、私は今自分が持っている才能も、誰かのために使いたいと思っています。

私はこの企画を最初はじめた時に、「世の中におもしろい大人がもっと増えれば」と書きました。しかし、実際これは少し違うのかもしれません。

みんな違って、本来はみんなおもしろい。それを大いに表現出来るような人生を、送れていないだけなのかもしれない。もっともっとおもしろいものを、みんな自分の中に隠し持っている。

私は大事にしまった宝物を、見つけ出すお手伝いがしたいのです。

いろんな冒険があるでしょう。こんなふうに文章におこして書いてしまえば、私の冒険は派手に見えるかもしれません。でも、派手に見えるかどうかは関係ないのです。


あなたの中での、冒険を起こしましょう。私はそれが見たいのです。そして、あなたの才能と私の才能を交換したり、組み合わせたり…。すると、きっともっと大きなパワーになるはずです。


あなたとそんなご縁があれば、嬉しく思います。

※その後のストーリーは、こちらのブログにて。
http://ameblo.jp/kiracune

著者の角谷 舞さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。