天と地の間を生きて*現実とスピリチュアルというふたつの世界を生きていく苦しみと喜び【5】最終回
私は、病院の診察室に入ってから、不安と恐怖がマックスになっていて、
巨大に膨れ上がった恐怖に押し潰されそうになっていた。
涙が止まらなかった。
私は、小さな子どものように泣いた。
「こんにちは。大変だったんだね。
落ち着いたらでいいから、ゆっくりお話きかせてね。」と先生は言った。
ちいさな子どもをあやすように・・・。
私の嗚咽が収まるまで、看護師さんが背中をさすってくれた。
先生は、ただただ待っていた。
大きな温かいエナジーで私を包んでいた。
そうだった。
私は、このエナジーを感じることができるんだった。
どんなに、久しぶりだろう?
この先生のエナジーは、あの美しい植物のエナジーと一緒だと思った。
私は、先生のエナジーを感じながら、だんだん落ち着いていった。
そして、私は、目を上げて、大丈夫ですという気持ちで、コクリと頷いた。
先生「何があったの?よかったら話してくれる?」
私「声が聞こえたんです。毎日、毎日、嫌なことや、怖いことを言われました。
そして、苦しくて眠れなかったり、ドキドキして恐くてたまらなかった。
声を聞きたくないと思っても、声は、話すのをやめませんでした。
お前はダメな人間だとか。生きてる価値がないとか言われました。
・・・先生、私の頭はおかしくなっていますか?」
しばらく、先生とのやりとりがつづいた。
そして、先生はこう言った。
先生「僕ね、君のこと、とっても良くわかるよ。
僕もそうだったんだ。
だから、人の心のことを勉強したいと思ったんだよ。
もう、心配しなくて良いよ。
ひとりでよく頑張ったね。 恐かったよね。
だけど、もう大丈夫だ。
どうして、君がそうなったのか、
そして、これからどうしたらいいのか、ちゃんと教えてあげよう。」
私は、全身が震えた。そして、号泣した。
私が、誰に話しても、わかってもらえないことを、わかってくれる人がいた。
奇跡だった。
先生は「我慢しなくて、泣いていいんだよ。
今の気持ちをちゃんと外に出すんだ。
怖がらなくていい。
ここは、安心して泣ける場所だから。」と言った。
そして、看護師さんが、また背中をさすってくれた。
こんどは、さっきより、もっとしっかりさすってくれた。
私の恐怖や悲しみが、どんどん外へ出て行くように手伝ってくれているようだった。
そして、落ち着いた私に、先生が言ったことは・・・
怖い声だけではなく、
自分になにかアドバイスしてくれるような声も聴いたことがあるんじゃない?ということ。
そして、怖い声や嫌な感じがする声が聞こえた時にすることと、
自分にアドバイスをくれる声との関係の取り方を教えてくれた。
それから先生は、
たぶん、君を導いてくれる声と一緒に生きていく覚悟をするときなのかもと言われた。
私は、「嫌だ!」と即座に答えた。
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