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15/1/17

天と地の間を生きて*現実とスピリチュアルというふたつの世界を生きていく苦しみと喜び【5】最終回

Image by Olia Gozha




私は、病院の診察室に入ってから、不安と恐怖がマックスになっていて、


巨大に膨れ上がった恐怖に押し潰されそうになっていた。


涙が止まらなかった。


私は、小さな子どものように泣いた。




「こんにちは。大変だったんだね。


落ち着いたらでいいから、ゆっくりお話きかせてね。」と先生は言った。


ちいさな子どもをあやすように・・・。


私の嗚咽が収まるまで、看護師さんが背中をさすってくれた。


先生は、ただただ待っていた。


大きな温かいエナジーで私を包んでいた。




そうだった。


私は、このエナジーを感じることができるんだった。


どんなに、久しぶりだろう?


この先生のエナジーは、あの美しい植物のエナジーと一緒だと思った。


私は、先生のエナジーを感じながら、だんだん落ち着いていった。


そして、私は、目を上げて、大丈夫ですという気持ちで、コクリと頷いた。




先生「何があったの?よかったら話してくれる?」


私「声が聞こえたんです。毎日、毎日、嫌なことや、怖いことを言われました。


そして、苦しくて眠れなかったり、ドキドキして恐くてたまらなかった。


声を聞きたくないと思っても、声は、話すのをやめませんでした。


お前はダメな人間だとか。生きてる価値がないとか言われました。


・・・先生、私の頭はおかしくなっていますか?」


しばらく、先生とのやりとりがつづいた。


そして、先生はこう言った。




先生「僕ね、君のこと、とっても良くわかるよ。


僕もそうだったんだ。


だから、人の心のことを勉強したいと思ったんだよ。


もう、心配しなくて良いよ。


ひとりでよく頑張ったね。  恐かったよね。


だけど、もう大丈夫だ。


どうして、君がそうなったのか、


そして、これからどうしたらいいのか、ちゃんと教えてあげよう。」





私は、全身が震えた。そして、号泣した。


私が、誰に話しても、わかってもらえないことを、わかってくれる人がいた。


奇跡だった。



先生は「我慢しなくて、泣いていいんだよ。


今の気持ちをちゃんと外に出すんだ。


怖がらなくていい。


ここは、安心して泣ける場所だから。」と言った。



そして、看護師さんが、また背中をさすってくれた。


こんどは、さっきより、もっとしっかりさすってくれた。


私の恐怖や悲しみが、どんどん外へ出て行くように手伝ってくれているようだった。




そして、落ち着いた私に、先生が言ったことは・・・


怖い声だけではなく、


自分になにかアドバイスしてくれるような声も聴いたことがあるんじゃない?ということ。


そして、怖い声や嫌な感じがする声が聞こえた時にすることと、


自分にアドバイスをくれる声との関係の取り方を教えてくれた。




それから先生は、


たぶん、君を導いてくれる声と一緒に生きていく覚悟をするときなのかもと言われた。


私は、「嫌だ!」と即座に答えた。


先生は、自分は、今もその声と一緒に生きている。


だから、君のことがわかるんだよと言った。




私は、とてもショックだった。


もう、声を聞きたくない。


だけど、きっと声が聴こえ続けるということなんだと理解した。


どうしよう・・・と考えてる私のことが、全部わかっているように、先生は言った。






「見えないものを見て、聞こえないものを聴くことは、


君にあたえられたギフトなんだ。


これからは、その世界としっかりつながって生きていきなさい。


苦しいこともあるかもしれないけれど、君のもらったギフトが、


君やたくさんの人を幸せにする時がきっとくるから。」




この時の、先生の言葉は、それからの、私をずっと支えてくれた。


それからも、いろんなことがありすぎたけれど、


この先生の言葉があったから、乗り越えてこれたんだと思う。


そして、今でも、先生の言葉が、しっかりと私を支えてくれている。





私は、この時から、


はじめて自分を感じることができるようになったと思う。


それまでの私は、


周りの音や光や匂いに、あまりにも敏感で、


そして、周りのことが必要以上に気になった。


人にも、敏感だったと思う。


人の思いや、エナジーを感じすぎて、とても疲れていた。


そんな私だったけど、


周りのことで不安や恐怖を感じることが、だんだん少なくなっていって、


自分の存在を感じられるようになった。





その頃から、私の音楽は、以前とは、別のものになっていった。


私は、先生に「ギフト」だと言われた感覚を、全開にして音楽に向かった。


すると、今までにない、世界を感じることができたし、


その中で、喜びとともに自分を表現することができるようになった。


本当に自由な心で、演奏出来ていたと思う。




発声に苦しんでいた時、


本番のステージの上で、私の声を良く聴いているもう一人の私を感じて、


その聴いている私の耳が、聴きとっている感じに吸い込まれて、


とても自然に、難なく声をだすことができたこと・・・。




ピアノを弾いている時には、


ものすごく広く大きなエナジーに包まれていることを、実感して感動したこと・・・。




喜びの体験は、数えられないくらい沢山あった。






そして、その魂が喜ぶ体験が、


幼いころの底なし沼のような


恐怖と不安の体験を開放していくようにも感じられた。


それほど、恐怖と不安を感じることが、少なくなっていったということだ。



あの先生が言ったように、本当に自分を救ってくれる感覚へと変わっていったのだ。


私は、私自身が、変容していく喜びを感じることができた。


これは、天からのギフトであり、


生きてるいることの証でもあった。




私は、音楽を学びながら、


人の考え方や感じ方の、とても大事なことを教わったように思う。


まず、正しいとか正しくないという考え方は、コテンパンに崩されていった(笑)


音楽には、正しいとか間違っているとかいう世界は存在しない。


あるのは、自分がどう表現するかということだ。


その表現に正解はないということを、とことん確認させられた。


それは、音楽の授業だけではない。


現国のテストでも「この時、主人公はどう感じただろう?どう思っただろう?」


という問があって、その答えにはバツはなく、すべて○だった(笑)


そして、みんなの感想を、授業で共有したりした。




弾いたり歌ったりする、それぞれの個性を、素晴らしいと感動できる世界。


いろんな人がいろんな表現をすることを、楽しむ世界。


それは、今まで私がいた世界とは、正反対の世界だった。


すべては、テストで、マルバツで、点数で評価され、


正しい人であることが良しとされる世界。


その世界で、どれだけ多くの人が苦しんでいるだろう。


みんな、正しい答えを追い求め、正しい人であろうとする。


そのために、楽しむことや、喜びは、後回しにされてしまう世界。


生きていく時に、いろんなことを選択するときに大切なものを、


高校時代に学ぶことができたことを、心から感謝している。




私は、今、天からもらったギフトのお陰で、


私自身と、そしてご縁のあったみなさんの


自己開花と魂の変容・メタモルフォーゼのためのお手伝いをさせてもらっている。


自分の使命を確認し、やっと歩き出すことができた。


ここまでくることができたのは、両親をはじめ沢山の人の愛があったからだと思う。


恩返しは、これからだ。


沢山の人の「JOY」のために、天からのギフトを使っていこうと思っている。



**************


5回にも渡る、私のストーリーを読んでくださってありがとうございます。

まだまだ、奇想天外・波瀾万丈の私のストーリーは続いていきますが、

また、ちがったテーマで、書いていけたらと思います。

この先の物語は、ブログの自己紹介に書いています。


よかったら、始まったばかりの私のブログにも、足を運んでいただけたらと思います。

自己開花と魂の成長「メタモルフォーゼ」のお手伝い」

そして、これからも、どうぞよろしくお願いします。







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