第12話 マチュピチュの予言【少し不思議な力を持った双子の姉妹が、600ドルとアメリカまでの片道切符だけを持って、"人生をかけた実験の旅"に出たおはなし】
始まりの一日。
”
何の為に生まれて 何をして生きるのか
答えられないなんて そんなのは嫌だ!
”
ノートの表紙に書き込んだ、やっと見つけた旅の「目的」。
インティとライミもこちらを見ていた。
ー地球上のすべての人にはその人を待っている宝物があるんだ。
アルケミストの大好きな一節とどこか似ている気がする。
そして目が覚めると、旅がガラリと変わってしまった。
一人でマチュピチュに行かないで
珍しく朝早く目が覚めた。
お昼になる前にはもう外に出る用意もできていた。
宿のオーナーに元気よく宣言する。
マチュピチュはチケットを買わないと入れない。
しかも、ここクスコからはマチュピチュ行きの電車のチケットも必要だ。
スペイン語が出来ない私は、
ずっとその手続きをするのが怖くて行けずじまいだった。
だけどそんなの言っている場合じゃない。
旅は自分で動かないと始まらないんだ。
インターネットで、チケットが買える場所と必要なスペイン語だけをメモして、
いつものノートをカバンに入れた。
あと、パスポート持った?お金も結構かかるよ!気をつけてね。
心配そうに、宿のオーナーは地図を渡してくれる。
マチュピチュのチケットと、電車のチケットの買える場所に◯がしてあった。
そしてクスコのセントロに向けて宿を出ようとした。
※セントロ=街の中心地
と、そのときだった。
カバンに入れていた携帯が震えた。
宿のWI−FIが急に入ったみたいだ。
携帯の通話のアプリが光っている。
着信は日本にいる双子のなっちゃんからだった。
一瞬無視して行こうか迷ったけれど、
なんとなく、電話をとることにした。
日本からの電話を取れるなんて滅多にない。
いつもこちらからかけるか、
履歴を残してかけ直してくれるのを待つのが普通だった。
玄関の長椅子に腰掛ける。
そういえば、なっちゃんとはスタバで泣き言の電話をして以来だった。
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