1人目を失った話 序章
もう6年前。。。
1人目を失った年。
あの頃、僕は大学4年生。
自他共に認める劣等生生活を送っていた。
単位はギリギリ、卒業できないかも。
学業、卒論に対する情熱は正直ゼロ。
唯一やる気に燃えていたのは
地元で開催していたバカ騒ぎの飲み会くらい。
大学生活にやる気がないと不思議と
大学の友達も少なかった。
唯一、大学でやりたかったバスケは
2日でやめてしまった。
「遊びでやるのか」「マジでやるのか」どっちかにしてくれ。
半端なのが一番つまらない、
そういう理由でやる気をなくして、行かなくなったけど
それもあるけど人間関係を作るのが
面倒臭くて逃げてたのもあるかもしれない。
そういう逃げ腰だから勉強も追いつかない。
普通、大学に通ってるのに留年しそうな
間抜けな学生はほとんどいない。
しかしなぜか、うちの大学は単位の取得選考に
無駄なほど真剣だった。
1点でも不足すれば即落第、2回続くと
留年が確定する、そういうシステムだった。
1回目で半数の学生が単位を落とし、
翌年その半分がまた同じ単位を落とす。
そうして約25%の学生が留年していく
システムになっていた(と思う)
ただ、唯一、この頃楽しんでいた
飲み会にも変化が訪れていた。
参加メンバーは大学の友達、高校の友達、中学の友達、
さらにはバイト先の同僚までいろんな人を呼んでた。
これくらいの年代の男女が集まれば
当然、いろいろある。
そのいろいろあるのが面倒になって
しばらく飲み会の開催をストップした。
それから、3ヶ月くらい経った頃だろうか。
中でも特に楽しみにしていた気の良い
友人がバイト先を訪ねてきて言った。
そんな感じの会話でしばらくは
やらなくて良いかなと思ってたんだ。
ただこの事を後になって
あれほど後悔するとは、そしてこんな会話が
最後の会話になるとは、この時は気づいてなかったんだ。
どうでも良い些細な会話が僕にとって
生涯忘れられない会話になってしまう事は
やっぱり後にならないとわからない事だった。
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