ものぐさな私が、なぜか「ハンドメイドが得意なママ」に昇格した話 2

前編: ものぐさな私が、なぜか「ハンドメイドが得意なママ」に昇格した話 1
後編: ものぐさな私が、なぜか「ハンドメイドが得意なママ」に昇格した話 3

浴衣作ろうかな

息子が小さかったときは、手作りをする気持ちの余裕もなかった。それでも、息子に手作りのものをプレゼントしたことがあった。息子が2歳10カ月で迎えたクリスマスは、娘の出産のために入院していた。息子はまだクリスマスの意味もよく分かってはいなかったけれど、クリスマスに母親がいない状況を迎えさせるのがなんとなく不憫に思い、フェルトなどを使って新幹線のおもちゃを作ってやった。思いつきで、なんとなく作ったので、ひどい出来だったけれど。それでもしばらくは遊んでくれた。

娘が2歳になり、そろそろ夏が近づいてくるころに、娘用の浴衣が欲しいなと思うようになった。息子のときは、よちよち歩きのときから甚平を買って着せていて、成長すれば買い換えた。女の子も甚平でいいのだけど、なんとなく浴衣を着せたいなと思った。

姪たちのお下がりでももらえないかと思い、姉に聞いてみた。すると、「そのサイズの浴衣はないなー。そんなの、作っちゃえば?」と言われた。いつもだったら、作るなんて無理! と、即、拒絶していていたのに、そのときに限って「作ってみようかな」と思ってしまった。

姉は本当になんでも作れる人だった。料理も上手だった。洋裁も、編み物も、ガーデニングも、家具もなんでも作る。かたや私は、料理も作らなくていいなら作りたくない。必要最低限にしか動かない人間で、とりあえず、なんでも面倒くさがるタイプ。

息子が幼稚園に入園するときに、別に手作りでなくてもいいのだけれど、なんとなく世間体もあって、巾着などを3つほど作ってみたこともあった。でも、その巾着ですら間違えてばかりで、全然うまくできなかった。せっかく最新式のミシンも買ったのに、巾着を作っただけでまた押し入れの奥にしまい込んでしまった。

その後、娘に軽い食物アレルギーがあることが分かり、娘のためにときどきお菓子を作ったりするようになった。それまでは、手作りお菓子なんて、まったくやろうという気もなかったので、その時点で以前の私からは少し変化があったのかもしれない。

姉に「浴衣なんて、まっすぐ縫うだけだから作ってみれば?」と言われて、以前の私だったら考えられないけれど、「簡単なのかな? やってみようかな」と思ってしまった。でも、いきなり浴衣なんて大物に取り掛かるのはさすがに抵抗があったので、前々からほしいと思っていた、子供たちの水筒カバーを作ってみることにした。

今は便利で、ネットで「水筒カバー 手作り レシピ」などと検索すると、いろいろと出てくる。いくつも出てくる中で、自分でもできそうなレシピを選んで、それを参考に生地のサイズなどを決めた。

よく分からないままに生地を買った。何メートル買えばいいのかも、よく分からない。適当に端切れなども、できあがりのイメージも湧かないまま買ってみたり。よく分からないから、店員さんに聞くに聞けない。そして、とにかくやってみようと、パソコンでレシピを見ながら、ああでもない、こうでもないとがちゃがちゃやって、それでもなんとか水筒カバーの形に仕上がった。

「できた!」

息子の巾着のときとは違い、ちゃんと作り方を理解してできたような気がした。水筒もちゃんと入って、使えそうだった。自分が想像していたものが、ちゃんと形としてできたことに少なからず感動したし、子供も喜んでくれてうれしかった。そして、別に売り物を作っているわけでもないし、細かいところが多少ガタガタしていても、遠目から見れば分からないから、案外適当でいいのだと分かった。

ミシンで縫いにくいところは、手縫いにしてもいいし、よく見ると左右でずれていたって、使っている分には問題ない。そういうことが分かって、手作りすることにあまり抵抗を感じなくなっていった。

そして、いよいよ娘の浴衣を作ろうと、本気で思うようになった。


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ものぐさな私が、なぜか「ハンドメイドが得意なママ」に昇格した話 3

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