ほのかな恋~ひでお物語~
まだまだ純情なひでお少年は、奥手です。
思春期にちゃんとした女性との付き合いをしていないと、
大人になってから女性関係が乱れるそうです。
だから、恋愛って大切なんです。
ひでお少年が最初に行動したのは、二年生のとき。
クラスに割と気に入った子がいて、思い切ってその子に年賀状を出しました。
「無記名」で
そんなうぶなひでお少年。
何事もなく三年生になりました。
来月はもう卒業という最後のバレンタインデー間近のあるとき、
班があってそのおなじ班の女の子が「ひでおくん、チョコほしい?」なんて聞いてきました。
心はどきどき・・でも顔はクールに「そりゃあ、もらえるものなら・・・」なんて答えただろうか。
女の子は「ふーん」とか言って、「じゃああげる」なんていったかな。
ひでおは「なんじゃー?」と照れているような感じ。
バレンタインデーの日。
ほんとにくれるんじゃろうかとなんだか落ち着かなくてその子のほうを見てられなかった。
で、移動教室のときかえってきたら、「かばんにいれといたから・・・」なんて言われた。
「あっそ・・・」とちょっと冷たく答える。
ちら見して確認してその場はなんとか取り繕う様子のひでお少年。
心はどぎまぎしていた。
その子も何食わぬ様子で前を向いていた。
放課後、そそくさと家に帰り、かばんから包みを取り出すと、手紙が入っていた。
「ひでおくんは班の仕事をよくしてくれるのであげます」
うーーん。なんだか微妙・・・。
それでももらえたことはよいことか?喜べばいいのかな?
その子のことはそんなに好きというわけではなかったけど、
単純なひでお少年は、チョコをくれたという事実だけでなんだかほのかな恋心を抱き、
三月のホワイトデーにお返しを用意することもした。
しかし、ホワイトデーは卒業式のあとで、なかなかタイミングがなく、
その子とはおなじ高校に受かったけど、その後進展はなかった。
ていうかふとわれに返ると、そんなにかわいくなかった。
「恋は盲目」とはそういうことか。
さて、その後高校生になったひでおは劇的に変化を遂げることになるのだが・・・。
高校デビューの巻、乞うご期待!
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