1年前、普通の会社員だった僕がベンチャー企業に転職し、わずか3ヶ月で事業責任者に抜擢された話

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もやもやも残ったまま。

このままではいけない。まずは、このもやもやを取り除こう。

まずは、自分がこの事業やるにあたりどういった事を目標にするのか?ということを自分の中で持てばいいはずだ。そう思い、自分の中で明確にするべく社長と(ネット上で)話し合いの場を持った。





アートを気軽に買える、だけだと買わないんです、僕。

今更出した超本音。笑

そう、そもそも実は僕に、アートに対しての問題意識(もっとアートが広がっていけば良いのに!という気持ちや考え)や、アートを買いたい!という欲求はこの時そんなになかったのだ。

ただ一方で「これやばい!」「これすごい!」「これかっこいい!」「これかわいい!」「これウケる!」という感情を持った時には、絵だって写真だって、版画だって切り絵だって情報をシェアしたことはある。それに、アートの世界で生きている人から受けた影響だってある。その人の記事をシェアしたこともある。だから根本的にはアートに興味があるのだ。

だけど、買うとなると妙にハードルが高い。

そもそもどこに飾ればよいのやら。どうやって飾ればいいのやら。どこでオシャレなものが買えるのやら。全然分からない。

なので、「アートを買ってもらう」の前段階である部分、つまり「アートに興味を持つ」ことだったり、「アートの飾り方」だったり、「アートを作っている人のことを知る」という部分をもっともっと伝えていく必要があるなとその時思ったのだ。

それは今も思っている、というか、最終的なゴールはそこなのではないかと思っている。

もっともっと僕みたいな素人でも、アートに興味を持って「これ買ったら部屋がオシャレになるかも」「これをここに置いてみたら部屋が良くなるかも」と考えられるようになれば、ちょっと暮らしがよくなるのではないか。そう思っている。


そして、上記の話し合いをしたのは8月中旬。話し合いの結果、ローンチは9月末に設定されることになった。


ここからようやく、本格的にサービスのローンチに向けて作業を進めていくこととなったのだが、やるべき事はまだ沢山あった。

・アーティストさんの発掘、営業

・サイトの構築(全く無知のwebディレクション)

・営業関連の資料の作成

・契約書等の法務的資料の作成

・事業コンセプトなどを詰める

などなど、、、

やることはある程度明確にはなっていたものの、幾つか問題があった。


これらのやるべき事を全て回していくまでのスキルも足りず、かつ、時間も待ってはくれない。アーティストさんに営業をする時間を取りたいのに、サイトの構築にめちゃくちゃ時間を取られる、あるいはその逆も起こっていた。

アートのキャプションを書くのも初めての経験で、そもそもどうやってアートを魅力的に切り取れば良いか分からない。

「アートを買ってもらう」の前段階である部分をどういう風に見せていくのか、具体的な施策も考えつかないままだった。

ただ、1回ローンチを遅らせてしまった以上は、次の期限を守らないわけにもいかず、とにかく進むしかなかった。

8月が過ぎ、9月も半ばにさしかかったころ、スタート時に掲載出来そうなアーティストさんの数、作品数の数が見えてきた。

アーティスト数5、作品数15。

プレスリリースを打つにはかなり寂しい数字だ。せめて作品は100くらい欲しいところだし、上にも書いた「アートを買ってもらう」の前段階である部分を埋めるためのコンテンツも幾つか欲しいところだ。

が、それは実現出来そうにない。webサイトのデザインや機能等も、確認しきれないまま。とりあえず最低限、機能を持っていればなんとかなるか…、と思いつつも、やはり修正したい部分はある。

と、いろいろもやもやと思っている間に9月末は来た。

プレスリリース用の文も直前に考え、ギリギリで入稿。

しかし、やはり「ローンチしました!!!」とSNSや社長のブログに書けるような出来ではない。

とはいえ、やはり時間は待ってくれない。

ローンチが差し迫った9月末、ふと社長が僕に質問を投げかけた。

社長
「プレスリリース時に用意出来そうな最初の作品数ってどのくらいになりそう?」
「あ…えっと、ちょっと予定したよりも少なくて…10〜15くらいでしょうか。」
社長
「ファ!?!?!?」

「少なくね?もう増やせないの?」

「それじゃ少ないじゃん、リリースするの?」
「あ、はい…一応9月末がリリース期限ですし…。」
社長
「いや、それじゃ厳しくない?」


社長、おこ。


……


僕、無言。

社長
「アーティストの作品はもう増えないの?」
「は、はい…。10月中にはもう少し増えそうなのですが…。」
社長
「んー…でもそれはいくらなんでも少ないよ。どうにかしよう。数を増やすか,他の方法を考えて。」
「は、はい…。」


僕は10月から自分の会社に広報として入ってくる友人に相談した。

すると、こんな回答が返ってきた。

プレスリリースする時にサイト「プレ」オープンってことにすれば?


………

た、確かに…。数はもう現状では増やせないし、それしかない!(マジでこの言葉に救われた。)


社長にもその旨報告し、なんとか了承をもらえることに。


そして2014年10月1日。新サービスは「プレ」オープンという形で世の中に出されることになった。


第4章 まさかのゼロリセット、そして松葉杖


さて、肝心の新規事業のほうであるが、10月にローンチはしたものの、ほとんどアクセスは集まらず、当然アートも売れない。

サイトのデザインにも改善すべき点は沢山あったし、何よりも作品数やコンテンツの量が圧倒的に足りていない。作品数も増やさないといけない、コンテンツを作らないといけない、9月末までは全てを1人で抱え込んでいたので、全てが中途半端だった。

どうしようもない状況に追い込まれていた僕に、少しだけ希望が見えたのは、奇しくも残念なるECサイトをローンチしたその日、10月1日に僕の友人が同じ職場に入社してきたことだ。

実は彼は、新規事業の担当になって以来こそこそと相談をしてきた人のうちの1人であり、既に色々と問題点を見抜いていた。そのため、「プレ」リリースしたECサイトの事業と僕はここからほぼ毎日、度重なるダメ出しを受けることとなった。


・コンセプトが全然はっきりしてないよ

・どういう作品を入れていきたいの?

・どういうターゲットでサイトを作ったの?

・ターゲットが詰め切れてないから、サイトのデザイン全然ダメじゃない?

・てかそのサービスのタイトル名、SEO的に競合いすぎてだめじゃない?

・そもそもwebディレクションが出来ないでしょ?


ぐ、ぐぬぅ…

とにかく全く反論が出来ないのである。1人で全て回そうとして、中途半端になった結果だから仕方ない。


時間はかかるかもしれないが、1つ1つ問題点を潰すしか道はないのだ。。。


そしてこの月から、1人で抱え込んでしまってリリースに失敗した僕のおかげで(せいで?)、週に2回の新規事業部MTGが開催されることになった。

そんな矢先。

僕の体にまさかの事態が起こる。


ある休日のこと。

「ゴリゴリゴリッ!」

この音が聞こえた瞬間に、僕の足首は地面につけなくなった。

いわゆる捻挫だ。趣味のフットサルの時にやってしまった。その日はアドレナリンのおかげで歩けたけど、次の日は捻挫した足を地面につけない状況。

まー捻挫だしなんとかなるだろう、そう思っていたものの、医者には松葉杖を渡された。

まさかこの時、1ヶ月松葉杖の生活になるとはこの時は思いもしなかった。


↑ゴリゴリってなったときの足。アイシング中。


ていうか、そもそも松葉杖なんて人生初なので、全然長居距離を歩くことができない。

ちなみに僕は普段右を向いて寝るのだが、それも出来ないので非常にストレス。

トイレに行くにも松葉杖。何をするにも立ちっぱなしは無理だし、電車は意外と譲ってもらえない。座っていても何かの間違いで足に負担がかかると非常に痛い。なにこの環境。ストレスフルとかいう次元じゃない。

ちなみに通勤は全然歩けないので、家の最寄り駅までタクシー、会社の最寄り駅から会社までタクシーという謎のVIP生活が1ヶ月続いた。(当然自腹w)


そんな中でも、当然のことながらダメ出しは続く。

・コンセプトはどうするの?

・ターゲットはどうするの?

・このページ、こんなんじゃ面白くないでしょ

・なんでこのフォントなの?


1〜2週間ではいっこうに治らない足首と同じように、新規事業の修正も一筋縄ではいかない。

もうちょっと人に頼ってやれば良かったなあ…。と1人で全てやろうとする悪いクセがモロに出てしまっていたことを反省する日々。何もかもうまくいかない。そしてしまいには、社長に一言

「進みが遅い!」

と怒られた。一瞬この事業を放り出して別のことをやろうかなとも思ったけれど、まずは自分自身の少し考えを変えてみることにした。


そもそも僕は1人じゃまだ何も出来ないんだ。だから、何かを指摘されたら「自分は何も出来ないんだから」という言葉をまず頭に置いて、指摘を素直にまずは受け入れよう。

色々指摘をされると悔しいし、ムカつくことには変わりなかったが、こうやって考え方を変えることで少しずつサイトの手直しも進んでゆき、コンセプトやターゲットも明確になり始めた。アーティストさんへの営業もだいぶ板についてきた。そして、なんとか軌道を修正し、「プレ」オープンから3ヶ月半後の1月半ばを目標に「本」オープンをすることが決まる。

さすがにもう、ヘボいものを出すわけにはいかない。

期限延長に始まり、残念なサイトを作ってしまった後には、もうちゃんと事業のスタート地点を作る意外に道はない。

そこから先は、小さなトラブルも沢山あったが今までの辛さに比べたら屁でもなかった。

足も治り、年末年始も仕事して、直前には半徹状態で数日頑張り、ちょっと遅れたけど1月31日に、無事にサイトをオープンすることが出来た。

一応、完成したサイトがこちら

まだまだだと言うのは自分自身が一番よく分かっている。まだ、ECサイトを立ち上げた、という現実があるだけだ。でもここから、「アートがなんだかよく分からない」という人と「アートの世界」を少しでも近づけることが出来れば良いと思っている。


第5章 新規事業を立ち上げるにあたり、気をつけなければいけないことまとめ

章のタイトルがこんなんですいません。笑

ただ、やっぱりこういうことは書いておきたいと思ったので、最後にまとめておこうと。

※下記内容は僕が身を持って感じたことです。僕が担当しているサービスは当然まだまだですが、皆さんの関わるサービスが残念なものになりませんよう、事前にお知らせをさせていただければと思った次第です。(偉そうな口調ですみません。)

【webサイト制作編】

・自分で作らないにしてもweb制作のスキルは持っておいたほうが圧倒的に良い。理由は幾つかあるが、このタイミングで「あ、やっぱこれ無しで」「代わりにこれ追加して」とか、ほんとエグい要求だったりすることが多々あるため。

こういうことの繰り返しでデザイナーやエンジニアはイライラする。間違いない。みんなもっとデザイナーやエンジニアをリスペクトしよう。

かくいう僕も、何度もエンジニアとデザイナーをイライラさせた。笑

・上の内容にも通じることだが、社内に優秀なエンジニアがいないなら、まずはサイトの設計を出来るだけしっかりと決めること。コンセプト、ターゲット、扱う商品の層。リーンスタートアップなんて言葉に騙されるな。優秀なエンジニアがいない限りは、作りながら修正とか無理なんで。


【プロジェクト進行編】

・まずは事業をとりあえず走らせてみるのではなく、しっかりとコンセプトやターゲットを練り込んでから進み始めるペき。そこから微調整をして進んでいくやり方がベター。

とりあえず、で始めると、どんどん修正がきかない方向に進んでしまう。これも上記に同じく、リーンスタートアップという言葉に騙されてはいけない。あれは、PDCAを回すのが早いことを指す。とりあえず立ち上げる、というところは本質ではない。

・作業の時間を取るのが無理そうならば、外部に振ろう。今ならクラウドソーシングもある。謎の作業に追われていたら、いっこうにサービスも作れない。

・チーム内で、プロジェクトの進行状況の共有はしっかりすべき。これがしっかりされていれば、変な方向に行きそうになっても誰かが警笛をならしてくれるはずだ。


さて、来年の今頃はこのサービスがどうなっているのだろうか。


大企業から飛び出して感じるトラブルだらけの毎日も、何も予測出来ない未来も、割と楽しい。

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