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15/3/4

日本人留学生が通学バスで出会った大麻の売人に考えさせられた話。~人種とアメリカの貧困~ 【1】

Image by Olia Gozha

アメリカ留学にも少し慣れたある日のこと。


その日もいつも通り、大学へのバスへ乗った。


いかにもガラの悪そうな怪しい黒人のおっさんが目に入ったので、少し怖かったので避けて座った。


すると、突然そのおっさんが立ちだして近づいてくるではないか。




おっさん「What’s up, dude? (よっ、調子どない?)」

「…Nothing bad. (普通やで、普通!)」

ぎこちなく返事をしたあとに、おっさんは俺の前に座り、身を乗り出して話を続けた。

おっさん「Do you wanna have some weed? (もしあれやったら、ウィード買わへん?)」

「…What is that? (ウィードってなんなん?初めて聞くわ。)」

おっさん「Don’t you know what it is? (お前ほんまに知らんの?)」

「…No. (え、知らん知らん)」

おっさん「It is a kind of DRUG which makes you feel super exited!! (ウィードって言うのは大麻のことで、ドラッグの一種なんよ。吸ったらめっちゃ気持よーなるで!!!!)」


俺今ドラッグを売られようとしてるのね?通学途中のバスで。

そうかドラッグか。そうか、ここはアメリカか。そうか、、、


あっけにとられて、何も言えなかった。


もちろん、僕は買っていない。しかしながら、大麻所持、使用はアメリカでワシントン州と、コロラド州に関しては21歳、個人使用目的であれば合法らしい。公共の場で使用、州外への持ち出し、ライセンスを持っていない人の販売は犯罪だそうだ。(僕の予想だが、おっさんはOUT。)



日本で育った自分にしてみれば、大麻などの薬物なんて何かの「警察24時!」的なドキュメンタリー番組や、学校での授業、ニュースでしか聞いたことがない。


おっさんは「一回吸ってみ?」と、割としつこく売ろうとしてきたものの、僕は断固拒否した。すると、諦めたと同時に少し悲しそうな顔をして話をつづけた。

「ドラッグなんてやめておいたほうがいい。ただ、俺にはこれしかないんだ、まともに働こうったって学校すら行ってないし、なんせ俺は黒人だ。お前は恵まれてる、裕福な国と家庭に生まれ学校にだって行けている。それが分かるか?」

僕は深く考え込んでしまった。

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