俺が財閥の家庭教師だったときの話(終)

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前話: 俺が財閥の家庭教師だったときの話2

・お母さんというよりはお姉さんに見える。

・割と気さくな感じだけど、品がある(気がする)。

・服がこぎれい(きっと高い)。


家の中の傾向もいつもと同じ。

・グランドピアノの上に写真立て

・花が飾ってある


そして、奥様の説明が始まった。

その家には兄弟が3人いること。

1番上のお兄ちゃんには東大生の家庭教師。

1番下の女の子にも、なんかすごい感じの先生。

真ん中の僕の勉強を見て欲しいということだった。


で、なんで俺?

なんで俺がわざわざ山口県から呼ばれたの?

東大生の家庭教師でいいじゃん。

しかも俺の時給(そのときすでに10000円)や交通費を考えたら、東大生の方が絶対に安いはずなのに、なぜに俺?

その理由は詳しくは書けないのだが、すごく簡単に書いちゃうとちょっとだけ荒れている子だった。

宿泊は近所のホテルをとってもらったのだが、食事は何を食べても結構です。と言われた。

ダメでも仕方がないと言われたのだが、会った瞬間から俺はその子のことが好きだったので、なんとかその子の心の隙間に入れてもらうことが出来た。


授業しながら、

妹のペットはアヒルであること。

そして、裏口入学が存在していること。

下着はユニクロであること。

なんかを教えてもらった。


次回の約束をして、数日間の家庭教師を終えた。

よく勉強するいい子だった。

財閥には財閥のプレッシャーや責任があるんだなって思ったよ。

普通に生きてるんじゃダメなんだね。


次からは、その子が山口に来てくれるようになった。

俺が急がし過ぎたからだ。

これ以上書くと、当時の生徒達に「あっ、あの時の…。」ってバレちゃあいけないのでもう無理なのだが、結局、海外の高校に入学するまで、一緒に勉強し続けた。


お金持ちの家庭教師をいろいろやって思ったことは、お金持ちには2種類あること。

本当の金持ちと、一代で成功した成金タイプだ。

本当の金持ちは、普通のそこら辺にいるような感じの人であまり派手じゃない。

成金は、豪快でお金もわざと見えるところに使っている。


俺は、圧倒的に成金の方が好きだと思った。

人懐っこくて、人気があって…

成金はその人の魅力でなったものなのだ。

俺がもし成功したら、いかにも成金のように生きていこうって思った。


塾が上手くいくようになって買った車がベンツで、ベンツを愛しているのにもそういう理由がある。

アストンマーチンのような玄人っぽい高級車じゃなくて、ベンツだといかにもって感じでわかりやすいだろう。

本当のお金持ちは、すーっとアストンマーチンを乗りこなすと思うんだけどね、成金ってベンツに乗って、「どう?ベンツカッコいい?」ってわざわざ言うんだよね。

でもね、そのあと言うの。

「お前、乗ってく?」って。


今でも何人かのお金持ちとは相変わらずおつき合いさせていただいている。

この前の名古屋大学の出張なんかは、実はエンペラーからの依頼だった。

エンペラーとずっと一緒に新幹線に乗っていったのだが、いつのように俺が知らないアナザーワールドの話をいっぱいしてくれた。

レーシングカーの話、田んぼの話、いるかの話、秘密の話、タイの話、ヤクザの話…

俺はお金持ちの人達にいろいろ教えてもらって、いっぱい楽しくさせてもらって来た。


だから俺は思うわけさ。

俺もみんなと楽しくビッグになりたいって。

みんなで仲良くワイワイしながら、ビッグになっていくんだよ。

俺の仲間とね。

そして俺の生徒達にはいっぱいアナザーワールドの話をする。


俺のグループのヘッドのうちの二人は、元、俺の生徒だから。


そう、俺らはまだまだ夢に向かって進んでいく。


俺らは「愛をこめてみかみ塾グループ」って名前のグループだ!



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