【第1話】変身願望とTRPG
前話:
【プロローグ】変身願望とTRPG
変身願望の過去と現在
さて、本来のRPGは何かを演じるといったことだという話をした。
次はそれが変身願望とどう繋がるのかということである。
まぁ、それは実に簡単な話だ。
人間というもの、特に子供は夢や理想を追い求め、それになろうとするからである。
誰しも子供の頃には夢があり、大人になりたがってはいなかっただろうか?
「パイロット」「花嫁」「消防士」「警察官」などなど、夢が幾つもあっただろう。
そして、遊びの中や、TVで映像が流れるものならそのモノマネをしたりしなかっただろうか?
それこそが、「ロールプレイ」であり、「変身願望」なのだ。
大人になったら、それがなくなるかといえばそうではない。
「有名なアイドルのような髪型にする」
「芸人のネタを真似る」
「ファッション雑誌のモデルのような服装を整える」
というこれらのことも広義では「ロールプレイ」や「変身願望」なのだと僕は思っている。
年齢が上がるに連れて「変身願望」を抱く対象はなれそうにないものから、マネやすいものにシフトしていくようになっていく。
それが成長であり、夢がなくなっていくことなのかもしれない。
しかし、夢の存在を現実ではなくフィクションに求めていったものが「アニメ」や「マンガ」、「小説」のようなエンターテメント作品になっていく。
これは「変身願望」を創作として出力したものだといえる。
「こうしたい、こうなりたい、こうだったらいいな」という願望や理想の世界を自分が追体験できるような形に出来る人がクリエイターと呼ばれる人々なのではなかろうか?
しかし、アニメなどのエンターテイメント作品には重大な問題を内包している。
そこには自分が行動を選択するインターフェースが無いのだ。
……続く
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