30代半ばのオッサンが起業した話 第4話
とあるマッチングサイトに掲載したのが年も押し迫った年末。
1ヶ月後には早速問合せが来た。
WEBシステムを作りたいとのこと。
初めてだし、割と安めに見積りを出したのを覚えている。
何社か見積りを依頼しているよう。祈る思いで返事を待った。
2日後、依頼者から連絡が入る。「貴社にお願いしたい」とのこと。
この瞬間は本当に嬉しかった。妻にも話した。その日は俺は終始上機嫌だったと思う。
遂にやったのだ。受注を取った!
その後も見積り依頼は絶えなかった。直接打合せすることもあった。
それなりにやりがいも感じていたが、会社が休みの日にやるのは限界があった。
この頃が精神的にも肉体的にも一番きつかった。
会社を辞める日を設定した。woodsmallを設立した半年後の4月末日。
当時フォトスタジオでお世話になっていた上司に相談した。
というか、もう設立はしてるんですが。笑
もう設立してるの?
小林さんには是非とも残って欲しいな。
私は小林さんには部長になる位の素質はあると思うの。
何とか考え直せない?
というように引きとめられたが、俺の気持ちは決まっていた。
さて。
WEBサイトの他にもアプリの受託案件も多いとのことで、こちらもマッチングサイトで露出していた。
当時は、AndroidとiOS両方が開発できる会社が少なかった。
『woodsmallは両OSで開発が出来ます!』というのをうたい文句に。
実際にはiOSは開発したことは無かったが、Macは持っていた(購入した)し、物理的には可能な訳で。今でも嘘を付いたとも思っていないし、この戦略は間違っていなかったと思っている。
会社の退職日が近づいた頃、アプリの受託開発の受注に成功するのである。
見積額もグンと上がった。
2013年4月12日
とても気持ちが良い天気の日だった。その日はフォトスタジオに出勤。
当時の会社のナンバー2の上司に電話で退職したい旨を伝える。
「すぐに本社に来い!」とのことで本社へ。
前の面談の時には、そんなそぶり全く見せなかったじゃないか。
もう気持ちは決まっています。
独立しようと思います。
じゃ先ず退職願を。。。
会社に返却するのも全て持ってきてます。
ということで、その日のうちに退職。
その日までに全て準備はしていたし(PCのデータ等も不要なものは消去済、必要なものは取得済)、昼過ぎには自宅に着いていた。
これで、副業が本業になったのである。
期待と不安、終日の激務で、その日は横になったら、すぐに寝てしまった。
こうして13年間のサラリーマン生活が終わったのである。
いよいよ代表取締役に就任し本腰を入れ始めるも、依頼したエンジニアの逃亡、資金難、借金など、困難な問題が山積みなのである。
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