【第4話】変身願望とTRPG
ファーストロールプレイ
僕がTRPGに出会ったのは社会人になってからでウェブゲームの知り合いからコンベンションに誘われたことから始まった。
TRPGでのコンベンションとは公民館などの公共施設を借りて、数十人が集まって遊ぶ交流会のようなものをさす。
知り合いから誘われたものの、それ以外の人は全く知らない人達ばかりだった。
不安ではありながらも、僕は少し気が楽でもあった。
なぜなら、ウェブゲームの知り合いからのつてのため、普段の僕を知ることのない面々であるため何かあっても縁を切ることは簡単な関係だと思ったからだ。
もっとも、この考え方は狭い界隈では非常に危険な考えだと今から振り返ると思うが、当時はそれくらい軽い気持ちだった。
その時、遊んだのは
トーキョーN◎VA The Detonaitionと呼ばれるサイバーパンク系のTRPGだ。
当時は世界観をざっくり説明されてもよくわからなかったが
「映画のようにかっこ良く目立てるTRPG」
という部分だけで惹かれて遊んだように思う。
僕はアクション映画が好きだったので、そこに釣られたのである。
キャラクターを作るところから始めるが、作り方もよくわからないままルールブックと呼ばれる本を眺めてなんとなく惹かれた要素でキャラを手探りで作ってみた。
そのとき作ったのは元傭兵でカメラマンとかいうちょっと変わり種のキャラである。
キャラクターシートと呼ばれる紙にキャラクターのステータスや設定を書き込んでいくことで、自分でキャラクターをそこに作っていくのがちょうど遊んでいたウェブゲームに近かったのですんなり入ることもできた。
キャラクターを作りあげると、よいよGMの用意したシナリオで遊ぶ時が近づく。
キャラクターと自分の自己紹介をして、始まる時をまっていた。
……続く
著者の白井 真一さんに人生相談を申込む
著者の白井 真一さんにメッセージを送る
著者の方だけが読めます