5億人の頂点を目指す5人の若者達が語る、世界を『絆』で結ぶための戦い

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いま、5人の若者が5億人の頂点を目指している。


彼らの名前は「alttype(オルトタイプ)」。関西初プロダブルダッチチームだ。二本のロープから繰り出される変幻自在のパフォーマンスで、ギネス世界記録や各種大会で名声をほしいままにしてきた。


alttypeがいま挑んでいるのはAsia's Got Talent。世界的な一般参加型のオーディション番組だ。これまではAmerica's Got Talentのように一つの国で完結だったが、今回はアジア27カ国5億人の視聴者向けという前代未聞の規模で放映されている。

アジア圏5億人の頂点を目指す5人の若者たち。彼らの挑戦の軌跡を追った。



◇5人の若者を魅了したダブルダッチとは◇

ダブルダッチとは二本のロープを交互に回す長縄のことである。1990年台後半に日本に輸入されて以来、ヒップホップ文化と結びつき独特な進化を遂げた。以前は跳ぶだけだったダブルダッチに「音楽」と「ダンス」の要素が融合し、世界的サーカス集団「シルク・ドゥ・ソレイユ」に出演を果たすチームまで現れた。


alttypeのメンバー佐藤福大郎(以下:FUKU)は「ダブルダッチは思いやりが不可欠なスポーツです。」と語る。一般的な縄跳びは一人で回し一人で跳ぶ。しかしダブルダッチは回す人と跳ぶ人が分かれており、互いに協力しなければロープが絡んでしまう。どれほどのハイレベルになろうと、常にチーム内の思いやりとコミュニケーションがなければ成立しないスポーツなのだ。



◇Asia's Got Talent への挑戦◇

先日、alttypeに大きなチャンスが巡ってきた。アジア圏初開催のAsia's Got Talentへの出場だ。彼らにとって世界進出するまたと無いチャンス。「決断するのに時間はかかりませんでした」とFUKUは当時を振り返る。


Asia's Got Talentは勝抜き方式で行われる。まずは各国から選ばれた240組が一次オーディションに参加。さらにこの中で24組だけがセミファイナルへと進むことが出来る。倍率は実に10倍、各国のオーディションから考えれば途方もない狭き門である。


さらにセミファイナルでは視聴者人気投票が実施される。FaceBookとスマホのAppから一般投票を受け付け、すでにシードで決定している3組と、投票数の多かった上位6組の合計9組が決勝進出を決める。



だがそれはチャンスであると同時に、alttypeにとって大きなチャレンジでもあった。



Asia's Got Talentはアジア27カ国で放送されるため、多様な価値観が混在するオーディション現場である。まず彼らを苦しめたのは「言葉」と「文化」の壁だった。出演のやり取りは当然英語。必死に説明を重ねても通じない。ようやく通じたと思えば違った意図に取られてしまう。その度に確認を繰り返し、ようやく物事が進む。お互いにバックボーンが違う人間同士がコミュニケーションを取るのは、想像以上の忍耐力を求められるのだ。


予選本番当日。ステージのalttypeは堂々としていた。そこにはただ純粋にダブルダッチを楽しむ彼らの姿があった。著名な審査員4名も「見ていて楽しい!」「とても力強い演技だ!」と、alttypeの演技を絶賛。なにより大喝采のスタンディングオベーションが、彼らの演技の成功を物語っている。



こうして高い評価を得たalttypeは予選を突破、セミファイナル進出を決めた。



しかし本当の戦いはまだこれからである。セミファイナルでは予選を凌ぐ熾烈な戦いが避けられない。並み居る強豪に立ち向かうべく、alttypeは演技で新たな可能性に挑戦した。ダブルダッチと表現の融合である。これまでalttypeは「ダンス」や「アクロバット」の要素を多く取り入れてきた。これらに加え、新たな挑戦に彼らが選んだのが「ストーリー性」だ。


メンバーそれぞれの配役に合わせて動きを研究し、納得いくまで何度も練習を重ねる。動きだけではない。ストーリー、キャラクター、衣装、メイク、これら一つ一つが世界観を創り上げる。FUKUは「演技中の世界観を壊さないことに腐心しました」と語る。一度手にした得意技に固執せず、常に新しいチャレンジを続ける。それこそがalttypeの真骨頂なのだ。


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