冬に東京→山口をバイクで下道縛りで帰った話①
第1話 プロローグ
みなさんバイクに乗った事はありますか?
晴れていて中・近距離の移動なら羽が生えたように自由にどこにでもいける非常に便利な乗り物です。皆さんに安全性がどうとか言いますが、不慮の事故に会わなければそこまで危険な乗り物ではないのです。
そう・・・。危険な乗り物では・・・。
199x年、私は就職で上京した最初の大晦日を迎えようとしていました。
その頃はいつも地元へ帰って友達と騒いでいました。九州居た頃はいつもバイクだったし一度はバイクで帰ってみようかと思い、同じくバイク乗りだった父親から譲ってもらったVTZ250に乗って徳山に帰る事にしたのです。
VTZはバイク界のカローラと呼ばれるほど乗りやすく、故障の少ないタフな奴だという事は聞いていたのでまぁ大丈夫かなと軽い気持ちで夜の5時に出発したのでした。
出発から約2時間位でしょうか。当時住んでいた町田の近くの神奈川県のある町から箱根の山までは難なくこれたのですが、2時間もたてば少しは辛くなってくる頃。でもまだまだ余裕でしょ!箱根の山を越えたらちょっと休憩するかな・・・?
箱根なめてました。
急カーブが多い道に先が見えない道路。フカないバイクにかなりの荷物。
こりゃもしかしたらやばいなとか思いつつ走っていると後ろから煽りがやってくるのです。
そう。本場の峠に生きていらっしゃる方々。彼らのテリトリーに入ってしまっていたのです。
こっちは完全旅装備にまったく初めての峠。しかも登り。煽られても逃げる場所がない。雪がちらちらし始めてうわああああああとなっていた所に道の駅らしき建物が!!助かったあああ!!
自分がそこに逃げ込んだ後8台くらいのいかつい方々が車をウォンウォン言わせながら登って行ったのを見てああ、ここはわしが入り込んではいかん場所やったんや・・・などと思いながら早くも帰ろっかなとか思い始めたとき、自販機の下にいるロードのお兄ちゃんが同じように休憩していたのでした。
ちらちらっと話はしたのですが内容はあんまり覚えてないです。もしあの時のお兄ちゃんいたら連絡くださいw
それはともかくチャリでこの峠越えようとしている猛者がいるんならバイクだったら余裕だろ!とかへんな対抗意識が生まれてきて、この後の試練を進む決心をしたのです。
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