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15/5/27

原点回帰 1/3

Image by Olia Gozha

2月6日の夜から2月7日の昼過ぎまで大阪と滋賀に行ってきました。

メインの目的は出身大学(滋賀県)での弊社の企業説明会+OBリクルーター懇親会。

年末年始はイベントやパーティーで実家には帰れなかったから、関西に帰れるいい機会なので少ししか時間はないけど実家に帰ることにしました。

2月6日

定時で会社をあがって、そのまま大宮→東京→新大阪→京橋→守口市へ。

新大阪に到着したとき、すぐに『大阪感』が伝わってきた。

以前に、関東の友達に「てらって、大阪臭がするよな」って言われたことがある。

『臭い』←これは悪いにおいに使う漢字で、

『匂い』←こっちは良いにおいのときに使う。

新幹線を降りたときに嗅いだのは『大阪匂』やった。

僕の実家はお風呂屋さんで、両親は僕が生まれる前から今までずっとお風呂屋さんをしている。

昔はわりと良い商売やったみたい。

そらそうやわなぁ。お湯沸かしているだけでお客さんが来たら全部利益になるわけやからな。

でも今は違う。

家にお風呂がない家なんてほとんどなくなったし、スーパー銭湯とかもあるからお客さんもどんどん減ってきているみたいやわ。

もう長くない事は目に見えている

生まれてから高校卒業するまでに5回引っ越している。

全部お風呂屋さんやねんけど、その土地土地でやっていけなくなって引っ越した。

実はお風呂屋さんっていうのは、お風呂屋を所有している人(大家さん)と、大家さんから借りてお風呂屋さんをしている人に分かれる。

うちは後者のほうで、大家さんに毎月家賃を払ってお風呂屋さんを借してもらっている。

景気が悪くなってくると家賃交渉してうまくいけば家賃が下がるけど、うまくいかなければ交渉決裂。つまり、出ていかないといけない。

人情味のある大家さんならすぐに退去ってことはないけど、すぐに出ていかなければいけないときもある。

高校3年のときに急遽出ていかなければいけない事になって、

出ていくってことは職を失うってことで、

次のお風呂屋さんを借してくれる人が見つかるまで家族5人で築30年くらいの長屋に住んでいたことがある。

1階に6畳の部屋、急な階段を上がれば4畳くらいの部屋。

生まれて初めてお風呂のない家に住むことになった。

もう大学には行けないと思った。

(結局大学には行ったから、その話はまたの機会に)

半年くらいその生活が続いてやっと次のお風呂屋さんが見つかった。

場所は守口市。

今僕が実家と呼んでいるのはそこの守口市のお風呂屋さんだ。

埼玉で一人暮らしを始めて3年くらいになるけど、こっちに来てから足を伸ばしてお風呂に入ったのは10回もない。

風呂屋の息子に生まれた僕は、毎日お客さんたちと一緒に大きなお風呂に入っていた。

『お風呂は足を延ばして入るもの』

社会人になるまではそれが当たり前やったから、久しぶりに実家に帰って足を延ばしてお風呂に入るとお風呂屋さんでよかったって思える。

ゆっくりお風呂につかっていると昔の記憶がフラッシュバックしてくる。

物心つく前からだったかもしれない。

小さい頃お風呂に入っているとお客さんに100%話しかけられる。

「ここの風呂屋の息子さんかぁ?」

近所のおじちゃんとか、おじいちゃん、中高生のお兄ちゃんが話しかけてくれる。

話が長引くと僕の手がだんだんしわしわになってくる。

お風呂場に長くいるとなってくるやつだ。

1人の人と話終わるとまた別の人が話しかけてくる。

もっとしわしわになる。

の、繰り返し。

お風呂からあがるころには全身しわしわ。

僕は子供ながらにいらん心配をしていたからずっと話を聞き続けた。

「僕が話を聞かなくなったら、お客さんがもう来てくれなくなるんじゃないやろか」

その経験があってか、僕は結構人の話を聞くのが得意だ。

相槌だったり、返答だったり、会話には自信がある。

仕事でも、プライベートでも、どこでもこの経験は活きている。

他にもいろいろな思い出が甦ってきたけど、書き続けていると止まらなくなるからこのへんで。

22年間、ご飯を作ってくれて、帰る場所を与えてくれて、お風呂を沸かし続けてくれて、いろいろな心配をかけて、一生懸命育ててくれた両親に改めて感謝の気持ちでいっぱいになった。

ほんとうにありがとう。

睡眠時間込みで8時間しかいれなかったけど、いろいろ振り返れた濃密な時間やった。

たまたま実家に帰ったこの日。

2月6日。

風呂(26)の日

やっぱおれは風呂屋の息子なんやなぁ



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