オーストラリア留学中にネット中傷被害に合い、裁判を起こした話(4)
たった数週間の平和な日々
Deanaと連絡を絶って、しばらく平和な毎日が続いた。
この間、Deanaは私のことを嘘つきだのDeanaの悪口を言いふらしているだの色々言っていたらしいが、私は完全無視していた。また、同時期に他の友人たちもDeanaから距離を置き始めており、FacebookからDeanaを削除した友人もいた。
悪口以外に私に対して何かしてくることは無いだろうと考えていた。
Deanaは絶縁後もかつて私と2人で参加したイベント(日本語を勉強しているオーストラリア人、その他外国人、日本人の交流会)に顔を出しており、他の日本人参加者たちと楽しそうに会話していた。
もともと私が誘ったイベントということもあり、顔を合わせる可能性もあるというのに、Deanaは気にせずその後も参加していた。私がいることに気づいても、ただ睨みつけてきただけだった。
その頃、久しぶりにアイと会うことになった。
アイは幸運にもイギリスのワーキングホリデービザに当選し、来月にはメルボルンを離れイギリスで2年間暮らすことになったのだ。(イギリスのワーキングホリデービザはオーストラリアやニュージーランド、カナダとは異なり、抽選で選ばれた希望者のみが申請できる)
その為、イギリスでグラフィックデザインの学校に通うことにしたらしい。
Deanaがアイを悪く言っていたことは、既にアイに伝えていた。友達が理不尽な理由で侮辱されているのに、見て見ぬ振りはできなかった。
アイはDeanaには遅刻した理由を説明しようとしたが全く聞き入れてもらえなかったらしい。しかも、その翌日にDeanaから彼氏と会っていたから遅れたのかとメールで聞かれたが、メールに気づかずすぐに返信できなかったところ、
と勝手に誤解されてしまったのだと話した。
そして、
と言った。
私はアイのこの発言に違和感を覚えていた。
その一方で、アイの気持ちも理解できた。私もDeanaと関わることに疲れてしまって、連絡を絶ってしまったのだから。ただ、以前からDeanaと友達だったアイが「めんどくさ」って…友達ってそんなもんなの??
アイと久しぶりに会ったのは、彼女にメルボルンに滞在中の私のイギリス人の友人を紹介するためだった。3人でのんびりカフェでお茶をして、近況を話したり、イギリスの話を聞いたり、楽しい時間を過ごした。
思えば、この頃が私のメルボルン生活で最後の平穏な日々だった。
新しい学校生活、わずか2週目で出ばなをくじかれる
2月半ばから新しい学校が始まった。
前の学校に比べて真面目でやる気のある学生が多く、つたない英語を話す私にも優しく接してくれた。授業はより専門的な内容で、コースまだ始まったばかりだったが、非ネイティブの私がついて行くにはかなりの努力が必要だと感じた。
新しい環境に慣れること、授業について行くことで毎日必死であったものの、充実した環境で好きなことを学べる生活が幸せだった。
(グラフィックデザインを学んだ大学併設の専門学校)
この頃、アイから聞いて知ったのだが、Deanaは再びアイに接近しようとしていた。
……………Mamiのせい?
アイは別に私のせいではなく、他の友人達からも悪い話を聞いてるからだと説明しが、Deanaはそれ以上何も言わなかったそうだ。そして、アイをFacebookでブロックしたと・・・
そして、2月26日。
新しい学校が始まって2週目…何者かが私の偽アカウントを作成し、中傷を始めたのである。
絶対にDeanaの仕業だ
1つ目のストーリーで書いたように、私は2つ目の偽アカウントのいくつかの投稿を自分のタイムラインでシェアした。
そして、「誰がやっているのかはわかっている」と偽アカウントのタイムラインに投稿した。
その数分後、偽アカウントは見れなくなってしまった。
後からわかったのだが、その人物が偽アカウントを一時的に無効にしたので見れなくなっていたのだ。(偽アカウントは削除されておらず、いつでも再開できる状態だった。)
たかがFacebookでと思うかもしれないが、私は本当に言葉で言い表せないほどショックを受けていた。
当時、シェアハウスに住んでいたのだが、ハウスメイトの2人はまだ帰宅しておらず、私は家に一人ぼっちだった。(オーストラリアではシャアハウスが一般的で、留学生やワーホリで滞在中の日本人の多くもシェアハウスに住みます。)
不安で不安で、誰かに助けを求めたかった。
私はアイに電話をかけ、これまでの状況を説明した。そして、決定的な証拠は無いものの、おそらくDeanaの仕業であることも。
アイは驚いていた。そして、本当にDeanaがそんなことをしたのか?と言った。
以下の理由から、私はDeanaがやった可能性が非常に高いと考えていた。
Facebook上で私の友達ではない。
(全体公開していたプロフィールと背景写真にはアクセスできるが、それ以上の個人情報は見れない。Deanaのアカウントはブロックしていたが、Rachel Bagerのアカウントで私の本物のアカウントにアクセスし、写真を保存したのだろう。)
アルバイト先と携帯番号を知っている(完全な第三者である可能性は非常に低い。)
これらの条件を満たしているのは、Deanaだけだった。
その夜アイと直接話がしたかったが、アイは都合が悪かったらしく、私たちは翌日の夜に会うことになった。
次の日も授業はある。コースは始まったばかり…
早く寝て授業に備えるべきなのに、全く眠れなかった。
深夜、日付も変わろうとしていた頃、携帯電話にメールが届いた。
Deanaからだった。
そして、続けてもう一通メールがきた。
上手く訳せなかったので、ぜひ以下本物のメールを原文で見てもらいたい。
涙が出た。
なんでこんなことを言われないといけないのか・・・
英語がクソって??私はネイティブスピーカーではない。それでもこれまで必死で勉強し、少なくとも現地の学生と一緒に授業を受けるレベルまで英語力を伸ばした。
自分の人生を変えたくて、日本での社会人生活で得た全てを捨ててオーストラリアに来たのに、それくらい覚悟を決めて渡航したのに帰れだと??
ただ、Deanaがこのメールを送ってきたことは、私にとって非常に好都合だった。
言葉は悪いが、彼女ははっきり言って頭が良くなかった。
たしかに私は偽アカウントのタイムラインに「誰がやったかわかっている」とコメントした。
しかし、一言も「Deanaがやった」とは言っていない。
仮に偽アカウントを作ったのがDeanaではないなら、なぜ私がDeanaが偽アカウントを作ったと言っていると知ったのか?なぜ偽アカウントの存在を知っているのか?
馬鹿なことに、偽アカウントを作ったのは自分だと宣言しているようなメールを送りつけてきたのである。
実際、このメールは、翌日に領事館、そして警察で、なぜ偽アカウントを作成したのはDeanaだと思うのか説明する際に非常に役立った。
一人で、狭い自分の部屋で涙を流し続けた。
翌朝までほとんど眠れなかった。
著者のFouret Mamiさんに人生相談を申込む
著者のFouret Mamiさんにメッセージを送る
著者の方だけが読めます