【THE九州男児な父へ】45年勤続した会社の最終出社日を迎えた父に贈った娘のお手製『私の履歴書』
そして母には写真集めに協力してもらった。
記事の内容に沿う下記の写真を用意。
・父学生時代の写真
・父入社式の写真
・活躍絶頂の頃の父の写真
・父の会社の商材写真
・父の結婚式の写真
・マイホーム購入時の写真
・子どもたちの写真
・父の妹との写真
記事の見出しは下記。
これらを全段記事にした。
<記事目次>
▼父の経歴紹介
▼○○会社一筋、45年に終止符
▼18歳で長崎から上京、63歳まで任期を全う
▼高度経済成長期の日本を支えた当時の若者
▼家族という財産と家族だからの苦悩
-家庭を築く幸せ
-子どもの成長
-父の両親の諸問題
-自身の病
-子どもたちの独立
▼会社・家族への感謝
▼子供達から父へメッセージ
▼妻から夫へメッセージ
いかにも新聞かのようにアレンジして制作するのは、
大変でしたが、三人兄弟で役割分担をし制作した。
「三人寄れば文殊の知恵」とは正にこのこと。
---------------------------------------------
企画・記事執筆 長女 私
デザイン・レイアウト 次男
制作・仕上げ 長男
----------------------------------------------
そして、渡し方も重要だった。
ただ記事を手渡しするのではなく、
実家が購読している神奈川新聞の朝刊に
本物の記事かのように挟んだ。
記事の裏面は、父の長年勤め上げた会社の全面広告にした。
父の最終出社日当日。
近所に住む兄が早起きして頑張った!
朝刊を配達する新聞屋さんを実家のポスト前で
待ち構え、新聞を直接受け取り、
作成した記事1枚を適当なところへ挟み込む。
そして、何事も無かったように、ポストへ。
後は、母がいつものように新聞をポストからだし
父へ渡すだけ。
(これは日常の動き)
何も知らない父は、いつも通り朝食を食べながらを
新聞に目を通す。
すると、自分について(それも半生にも渡る事細かな内容w)の記事が
新聞になっていて驚く!というシナリオです。
見事、想定通りの展開で、結果は大成功でした。
しかも、父がその記事に気づいたのは、
まず裏面の会社の全面広告だったとのこと。
「あれ!?うちの会社こんなでかでかと広告出したのか?!」と
不思議に思い、そして裏面を見たら、自分が!
「○○会社一筋45年に終止符」という見出しとともに
自分の写真がでかでかと出ていてそれは驚いたことだろう。
それを見ていたのは、実家にいる母のみ。
母の話だと、その後、記事をじっくり読みながら、涙していたとのこと。
そして、嬉しそうな顔をして、その新聞を持って最後の出勤に向かったそうだ。
その夜、父の定年退職祝いとこのサプライズの全貌を明らかにするため、
家族全員が実家に集合し食事会をした。
父は、その新聞を会社の皆にも見せて自慢したそうだ。
会社の皆も驚いていたとのこと。
でも父にとって、長年勤めた会社の最後の出勤日という
何ともやりにくい日にこうしたネタがあってよかったかもしれない。
父は、私の偽インタビューも全くもって疑っていなかった。
そんな父は本当に真面目で家族思いで素敵な人です。
これからはゆっくりと私たちを見守っていてください。
<あとがき>
これはもう4年も前の出来事です。(私もまだ20代。若い・・)
今回父の日ということで、このSTORYS.JPに記念に公開しようと思いました。
父はリタイア後、社会福祉協議会や民生委員などのボランティア活動をしながら元気に実家にいます。
今年の父の日は帰れないけど、来月7月の父の67歳の誕生日には帰省予定です。
終身雇用の時代ではもう無くなってきていますが、まだリタイアしていない親御さんを持つ子供の皆さんに、ぜひ参考になればと思って書きました。
ここまでは出来なくても、プライスレスの何かを贈ることってとても大切だと思います。
そして、親が当たり前に居るこの今がいつまでも続く訳ではありません。
悲しいことに時間は有限です。「いつか」ではなく「今」を大切に生きたいものです。 2015/6/21 永石和恵
著者の永石 和恵さんに人生相談を申込む
著者の永石 和恵さんにメッセージを送る
著者の方だけが読めます