オーストラリア留学中にネット中傷被害に合い、裁判を起こした話(11)

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元の生活に戻る努力

ずいぶん間が空いてしまいましたが、また少しつづ書いていこうと思います。

実はこれまで書いた分のストーリーは私が後に警察に提出した被害届の内容をもとに書いていました。(なので2年以上前の出来事なのに詳細まで書くことができました。)

ただ、今後のストーリーに関しては私の記憶と当時のメールのやり取りをもとに思い出して書いていくことになるので、以前の話に比べるとやや大まかになるかもしれません。

3月6日(水)

この日もまた学校のカウンセラー Reikoさんと面談を受けることになっていた。前日の面談時にReikoさんが調べてくれることになったこと(弁護士に依頼できるのか、学校を辞める場合授業料の全額返金は可能なのかなど)の回答を聞くためだ。水曜日は午前も午後も授業があるのだが、少しでも早く回答が聞きたかった私は午前の授業を途中で抜けて、Reikoさんとの面談に向かった。ちなみに、この日を逃すと次にReikoさんと面談可能なのはその翌週だった。また授業を休んでしまうことが痛手だということは十分理解していたが、他に選択肢など考えられなかった。


Reikoさんからは良い回答は無かった。まず、学校側で紹介している弁護士からは「この件についてできることはほとんど無く、引き受けることはできない」という回答があった。また、仮に学校を辞めることにした場合、基本的にこの時点では学費の全額返還はできないことになっているとのことだった。ただし、やむを得ない事情があり、学校側が認めた場合には例外的に全額返金されるケースもあるらしい。詳細に関しては私のコース、Diploma of Graphic Designのコースコーディネーター(コースを統括するトップの先生)と学校の留学生担当者に確認することになった。


以上の報告を受け、私は非常に落胆していた。心の中で、きっと弁護士が助けてくれると期待していたのかもしれない。こんな理不尽な出来事なのだから、何かできることは沢山あるはずと自分の中で考えていたのかもしれない。Reikoさんは、それでもこの日の私の表情は非常に落ち着いており、顔色も良く、安心したと話していた。

昨日の私はReikoさんが部屋に入ってきてからも全く固い表情を崩さす、固まったままだったこと、顔を見ただけでどんなに壮絶な体験をしたのかが伝わってくる・・・そんな顔をしていたらしい。


今回の面談では残念な結果しか得られなかったが、Reikoさんはカウンセラーとして私の気分が少しでも楽になる方法を提案してくれた。当時の私にはそれを素直に受け入れることはできなかったが、誰が一人でも、たとえそれが仕事だからであってもこの大変な状況から抜け出すためにできることを助言してくれる人に出会えたことは、今思えば大きな救いだった。また、成人してから留学生として渡豪していおり、それにも関わらず永住者や長年留学している人たちにも勝る英語力で、オーストラリア人と同様に仕事をしているReikoさんと出会えたことは、決して若くない年齢でメルボルンに来た自分にとって刺激になった。かっこいい、自分もあんなふうになりたいと素直に思った。もうReikoさんには一生会うこともないと思いますが、今でも本当に感謝しています。

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