「お控えなすってぇ!」閉寮目前の寮で、30人が必死こいて青春した話。(その参)

前話: 「お控えなすってぇ!」閉寮目前の寮で、30人が必死こいて青春した話。(その弐)

「はーい、質問ターイム笑」

入学してからバタバタ(ダンボール着てただけ)した後、なんだか怪しい夜がやってきます。

噂のソーシャルルームに間接照明をたいて、新寮生が自分の生い立ちを語る夜会。これがまた…笑。


とりあえず、僕は自分の出身、親、趣味、などそこそこの個人情報を惜しげもなく話していきます。しかし、どこか浮かない顔で聞いている新しい先輩たち。最初に言えと言ったことは話してるんだけどなあ、なんて思いながら話していると、あっという間に最後の「質問タイム」が訪れます。

イベントを取り仕切る一人の先輩が、「はい、質問ある人」とニヤニヤしながらいうと、これまでの雰囲気が一転して、先輩たちがドンドン手を挙げてきます。


「あぁ、こんなに僕に興味を持ってくれてたんだ!嬉しい!」


なんて思ったのもつかの間。飛び出してきた質問は、男子寮にふさわしいゲスゲスゲス…。

「好きなおっぱいのサイズ」「初めてみたAVのタイトル」「どこフェチ?」「チョメチョメ(もうゲスすぎて書けません)」などなど。


「えっこんなの答えなきゃいけないの」


はい。


「お控えなすってぇえぇえー!!!」

この寮の一つのキーワードともなっているこのワード。仁義。

簡潔に書きます。


要は、女子寮全員が笑うまで帰れま10。


「えっなにやればいいの。笑ってくれなかったらどうするの」


自分で一発ギャグを考えろ。

笑ってくれなかったら、笑わせるまでやるんだろ当たり前だろ笑。


上記のフレーズは、この一発ギャグ企画の肝、仁義口上と呼ばれる、自己紹介です。

もとは任侠が、親分に若い衆を紹介するときにやらせていたものだそう。

「お控えなすってぇえ!手前、生国と発しますところ、(出身県)の国は、(出身町)にござんす!性は(苗字)、名は(名前)!!!」


男、いや漢、を感じる一番の瞬間。

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