「お控えなすってぇ!」閉寮目前の寮で、30人が必死こいて青春した話。(その弐)
2014年9月
残暑厳しいある夏の日、4人の新大学生がその汚い建物に足を踏み入れてしまいました。
「この建物の第一印象は?」これから生活をともにする4年生の先輩がビデオカメラを回しながらそう聞くと、即答で「想像以上に汚いです」と帰ってくるほど、歴史を感じる建物でした。
その中の一人であった僕は、その時、「学生寮は寝るところ」という概念しか持っていませんでした。しかし、その甘っちょろい考えはすぐ覆されます。
ちなみにこの時期の入学ってことは、帰国生の9月入学。
入学式
まず新大学生が経験するのは入学式。これがまず、なかなかにおかしい。
「はい、これ、着て入学式いっておいで。出口でみんな待ってるから。」
そういって先輩が僕らに手渡したのは、法被。
はっぴ。ハッピ!…はっぴ!
世間では国際的ですました学生が集まってるイメージの大学の初日が、「はっぴ」!
寮の紋が縫われたその法被は、一枚3,4万ほどする特注品。それを着て入学式に出席しました。
もちろん、周りの生徒は訝しげな目で僕らを見てきます。
最後の新入生全体写真では、「はいそこの変な君たち、こっちよって」とかカメラマンに言われる始末。変とか言うな!!
ダンボール
入学式が終わったかと思えば、いろいろな理由をつけられて、なぜかダンボールで衣装を作らされます。これだけ書くと相当おかしいが、それは間違いない。相当おかしい。
僕らはダンボールで世界遺産をテーマにした衣装を作り、新大学生の貴重な最初の数週間をその暑いダンボールの中でひたすら耐えなくてはなりません。(今考えると不条理極まりないな…。)
これらは、全部、「僕たちはこの寮に入っちゃいましたー!ww」という周りに対しての意思表明としてやらされています。楽しくもあり、不条理でもありますが、この地獄なのかどうかもよくわからない数週間が終わると、無事、周りも「あいつはあの寮のやつだから」と理解を示してくれます。嬉しい!
しかし、これで全部終わったー!なんて思ってると痛い目を見ます。
こんなのは序の口。寮の外に見せられることなんて可愛いものでした。寮の中で行われることを思うと…。ゾクゾクします。
続きはまたこちら。
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