自分探しをしていたニートが試しに3日間山籠もりをしてみた。~第二話 山籠もりスタート~

前話: 自分探しをしていたニートが試しに3日間山籠もりをしてみた。~第一話 なぜ、山籠もりをしようと思ったのか?~
次話: 自分探しをしていたニートが試しに3日間山籠もりをしてみた。~第三話 ずっと一人で山に~

高尾山へ。


朝、6時。

天候は晴れ。まさに山籠もり日和。

重たい荷物を担ぎ、いざ二泊三日の山籠もりに出発。


平日の電車。

高尾山方面は、ほとんど人がいなく、席に座れた。


高尾山に到着。

高尾山ブームのせいか意外と人が多かった。

まず、初めに決めておかないといけないことがある。

それは、どこに籠もるかだ。


そう。

行き当たりばったりで、とにかく行けばなんとかなるだろうと特に決めていなかった。


「とりあえず山頂を目指そう。」


そうして、山頂に向かって歩き出した。

マイペースにゆっくりと歩いて、面白いこともなく、普通に山頂に到着。


「さて、どこで籠もろうか。」

それを考えながら、周りを見渡した。


「もっと先に行けば、本格的な山登りのコースだから、さすがにあるだろう」

とよく分からない予想を立て、そのコースに入ろうとした。


その瞬間、あるものが目に入った。

高尾山の地図看板だ!

「これなら何かヒントがあるのでは?」

そう思い、見てみる。

そこには、ヒントではなく、答えが書かれていた。


【キャンプ場】


「なるほど。確かにキャンプ場だったら、普通にテント張れるし、安全だし、山籠りに最適。ここにしよう!」

ようやくゴールを見つけて、ウキウキしながら、キャンプ場に向かった。


だが、岩間は気づいていなかった。


キャンプ場まで数時間かかり、誰もいない獣道を歩かないといけないこと。

そして、すでに夜が近づいていることを。


キャンプ場への道


ウキウキした気持ちで、キャンプ場に向かっていた。


周りは少し暗くなってきたが、

「まぁすぐに着くだろう」

と、軽い気持ちで歩いていた。


だが、いくら歩いても到着しない。

「あれ?道間違ったかな?」

そんなことはない。

曲がるところなんてないのだから。

それから歩いても歩いても着かない。周りは暗くなってきた。人もいない。


「これって、やばくない?」

ようやくことの重大さに気づいた。

そして、岩間は懐中電灯を付け、少し小走りになった。

残念ながら、懐中電灯の光が弱く、歩く先しか見えなかった。

横は坂になっていて、足を踏み外すと転落する。


「これはまずいぞ!」

ウキウキした気持ちはなくなり、暗闇の恐怖、一人の恐怖と戦うことで精一杯だった。


戻ることはできない。とにかく進んだ。


キャンプ場到着


とにかく進んだおかげで、ようやく開けているところが見えてきた。


「キャンプ場か!!」

安心感とともにそこに向かって全力で走った。


到着して、あることに気づいた。

「だ、誰もいない!」

9月のもう寒くなってきている時期。

普通に考えれば当たり前だ。

電灯が数か所あるだけだが、確かにここはキャンプ場だった。


「ようやく着いた。ここで山籠もりをするんだ。」

不安と恐怖でいっぱいだったが、とりあえずすぐにテントを張ることにした。


寝るための戦い


テントも張って、山籠もりの体制は整った。


「あー、疲れたから、ご飯を食べて今日は早く寝よう」

持ってきたカップラーメンを食べて、(今日はゆっくり寝れるな)と、横になった。


・・・・


「痛い!」


横になって、数十秒。

腰あたりに痛みが。


「何だろう?」

腰に手を当てた。

大きな石がピンポイントで当たっていた。


「そりゃ痛いわ。ちょっとずらそう。」

ちょっとずれて、数十秒。


「痛い!!」


また腰に手を当てた。

今度は、違う石が当たっていた。


よく考えたら、砂利の上だから、石があるのは当たり前だった。


それからベストポジションを探すため、何度も何度も繰り返した。


「あれ痛くない!」

ようやくベストポジションを見つけたのだ。


「ここだ!ここから動かないようにしよう!」

そう決意し、体を棒にして、その日は眠りにつくことができた。


(今思うと、あれはベストポジションではなく、痛みに慣れたのと疲れで眠りにつけたのだと思う)

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