流産、胞状奇胎、そして再び妊娠す #4

前話: 流産、胞状奇胎、そして再び妊娠す #3
次話: 流産、胞状奇胎、そして再び妊娠す #5

茶色いような少量の出血があったので直に検索をしました。便利な時代です。すると、妊娠初期に少量の出血は良くある事のようで、無事出産された方も多い事が分かりました。酷い痛みや生理程の出血がなければ病院にいく事も無く、とりあえず安静にしておくしかない…。私はしばらく様子を見る事にしました。

余談ですが、私は普通よりちょっと嗅覚が良いようです。風邪の匂いや雑菌の匂い、胃の悪い人、少し離れた所にいる人がきな粉の袋を開けただけできな粉の匂いが分かるとか…皆同じ様に分かっていると思っていたのですが、長年生きてると、全ての人が分かる訳ではないようだというのが分かってきました。よく、妊娠すると嗅覚が鋭くなるというので、更に鋭くなっていたのかもしれませんが、何やら今回の出血の匂いがとても変な臭い…腐ってる様な…そんな臭いがしたのを覚えています。後に分かる事ですがこの妊娠は胞状奇胎だったので通常の妊娠ではありません。この臭いと胞状奇胎が関係あるのかないのか分かりませんが今となっては少し気になります。気のせいかもしれません。この時も直ぐに臭いの事を検索し、特に問題が無かった様子の妊婦さんも変な臭いがすると仰っている投稿を見かけたので…。

さて、だんだん酷くなる悪阻も相当だった模様です。苦しかった事は、喉元過ぎると…という奴で、私はすぐに忘れてしまうのですが、夫が酷かった酷かったというので酷かったのでしょう。自分も酷かったという事だけは覚えています;どうやら胞状奇胎は悪阻も一般より強く出るらしいのでそうなんでしょう。

これは確か7週目のエコーです。

いま思えば、ちょっと形が良くないかもしれないですね。先生は、胎芽がまだ見えないな…来週、胎芽が見えなかったら厳しいとおっしゃいました。考えてみれば、この時から先生は難しいと思われていただろうな。そして基礎体温の事も聞かれました。でも、計っていなかったので分かりませんでした。それで来週まで毎日計る事にしました。

毎日、悪阻が酷かったんですよね。気持ち悪さというのは具体的には前述の通り忘れてしまったのですが、覚えている感覚で例えると、色の無い世界だったよな…という事です。悪阻になる時は段々と悪くなって行くので(人によるかもしれませんが)何がどう変わって行ったのか実感が強く湧かない気がします。少しずつ色の無い世界に慣れてしまうのです。兎に角だるい。でも手術して悪阻が消えると、世界に色が一気に戻るのです!ご飯を食べると、あれ!?こんなに豊かな味だったっけ!!といった感じで、まるで舌先から色が広がるように溢れて行きました。空の色も、人の言葉も、全て感覚がフルに戻って行きます。悪阻が終わると再び世界がカラフルに輝きだすのです。なんて味気のない世界に今までいたのだろうと思いました。でも、この時私は悪阻を歓迎していました。来週の健診まで一週間。悪阻が酷いのはきっと赤ちゃんが頑張ってるからだと思って、まだ大丈夫まだ大丈夫だと言い聞かせていました。所が基礎体温はバラバラで、36.87の時もあれば36.47の時もあったのです。

一週間経過し健診にいきました。私は、基礎体温は低い時もあったけど、ちゃんと高い日もありましたよ〜!と言います。だからきっと大丈夫ですよねという気持ちをこめて。でも、先生は申し訳なさそうに「う〜ん、普通はあんまり下がったりしないのよね…」とおっしゃいました。とりあえず、中を見せてもらいましょうかね、と。

そしてこれです。

知識のない私は???でした。先生は分かった!とおっしゃいました。そして、あまり驚かせない様にと細心の注意を払って話をはじめてくれました。「今日は旦那さんときていないの?」

#5へ続く



著者のすずき ひっぺさんに人生相談を申込む

続きのストーリーはこちら!

流産、胞状奇胎、そして再び妊娠す #5

著者のすずき ひっぺさんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。