地震で壊れた祖父のお墓をなおす旅に、幽霊?の女の子と一緒にいった話。②
成田山で災難消除のご祈祷をしていただいた夜。
私に祖父の墓を探し出すのは無理です。手がかりがなさ過ぎて無理です。
怖いのも苦手なんです。
あとは不動明王様、じいちゃんと私を救って下さい。
おねがいします!お任せします!
これで、安心して眠れる。
眠っていると・・・。
ぐはっ!
苦しい、痛い
左胸、心臓がわし掴みされた。
ヤバイ、死ぬ。
苦しい苦しい苦しい・・・。
私は、胸に手を当ててうめいたり、体をよじらせたり、
布団をばしばし叩いていた。
どうして、どうして、
苦しい・・・。
急に、物凄い悲しい感情がわきあがってきた。
いつの間にか、苦しくて叩いていた布団を、
悲しくて叩いていた。
どうして、どうして、わかってくれない。
悲しみが強くなってゆく、
どうして、どうして、わかってくれない。
涙が出てきて、伝わらないもどかしさと悲しみが
全身に巡り、
ああ、これは私じゃなくて、
祖父の心、声なんだとわかった。
泣きながら目を覚ました私は、
決心した。
荒唐無稽だけど、やってみよう。
会ったことのない祖父の声
苦しみ
悲しみ
感情も体の感覚も、残っている。
お墓が壊れるってことは、こんなに苦しいことなのか。
不動明王様が見せてくれたんだ。
地震で壊れたお墓を直せばいいんだね?
おじいちゃん。
やってみるよ。
続く。
※ここまで読んで下さり、ありがとうございます。とてもうれしいです。
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