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15/7/31

地震で壊れた祖父のお墓をなおす旅に、幽霊?の女の子と一緒にいった話。⑥

Image by Olia Gozha

 墓石屋のおばあちゃんと墓地へ戻る。

シゲオじいちゃんの墓に案内すると、

うーん、と、おばあちゃんは厳しい顔つきになった。

おばあちゃん「墓相が悪いね。」

「あ、やっぱり」

詳しくは聞かなかったけど、

私もそんな感じはしていた。


シゲオじいちゃんの墓は

竿石の下に蓮華という、はすの花の形をした石が

敷かれていたんだけど、

蓮華の下の部分が高い足になっていて、

中台との間に空間があり、

正面から向こう側の景色が見えるデザインで、


不安定な形と石同士のつながりが

ブッツリ途絶えている様から

家系が途絶える事を意味しているような

感じがして


自分の親がもういないこと、

家族に恵まれないこと

独り身なことに

少し関係があるような気もしていた。

(もちろん、墓相だけのせいにするつもりはない。)


おばあちゃんは欠け、割れ目を確認し、

何かを考えていた。

おばあちゃん「お墓は仏様のお家だからね。水が入って困ったんだろうね。」

「なるほど。(修理費、どれ位だろう・・・。)」

おばあちゃん「ずれた石はおじいちゃんにクレーンで上げてもらって直せるわ。あと、欠けもこの程度ならなおせる。」

「お、お願いしたいのですが、おいくらでしょう?」

おばあちゃん「5万円ね。」

「おねがいします!(何10万もしなくてよかったー!!)」

交渉成立

二人で石材屋さんに戻り

入金後、修理をして写真を撮り送付してもらう約束をした。

「シゲオじいちゃんは、何で会ったこともない私を呼んだんでしょうかね。」

おばあちゃん「仏さんは、お墓を直してくれる人を選ぶのよ。」

何度もお礼をいって、石材屋を後にした。

まだ少し、左胸の違和感がある。

完全には治ってないな・・・。


函館の町へ向かう途中

夕焼けで青紫に染まった函館湾と月が美しくて

車を止めて、少し休憩した。



柔らかな風が心地よい


漁師をしていたというシゲオじいちゃんは

何を感じながら生きていたのかな。


シゲオじいちゃん、ヨネちゃん

一つ、お願いしていいかな。

私、家族が欲しいんだ。


私に親戚とか家族がいないのは

元はじいちゃんが亡くなったとき

遺産相続争いで、何年も揉めて

親が付き合いを絶ってしまったからなんだ。

遺産といっても父親は放棄したし

もう亡くなっているし、

相続した親族も使い果たして

おじいちゃんのものなんて、

何も残っていない。


私なんか、今回の旅費と修理費で赤字だ。


一つ、お願いしていいかな。

私、家族が欲しいんだ。

努力しますから、見守っていてください。


続く。


読んでくださってありがとうございます。


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