福岡から歩いて日本を一周する間に出会った人や出来事のお話 其の参

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1:車からの出会い

今まで何度か「送ってあげるよ!」と言ってくださる人に出会ってたんですが、丁重にお断りしていた。

でもふと人が折角善意で声をかけてくれたのに、それを断ることに虚しさを感じだした。

絶対に車なんて使わない旅だ!とか

歩くことしかしない!なんて自由じゃないな。

ってゆうか歩くことじゃなくて旅する事が目的な訳だから。


断るのは簡単だけど、人の好意を有り難く受けとることも大事だ。


それも一つの出会いになるのだから。


その日は朝から土砂降りで三重県の伊賀市から津市へ歩く予定だったのですが山越が必須だった為三日はかかるなーと思ってました。

バス停で雨宿りしてると、そこへ一台の車が停まって。


「行きたいとこまで送ったるわ!乗りいや~!!」


と、この旅で初めて人のご好意に素直に受けさせてもらうことにしました。

その方はまさに絵に描いたようなお節介おばちゃん。

結局山越だけでよかったのに津市を越え鈴鹿市まで送ってもらいました。


「お腹すいてへん?駅でなんか買うてきたるわ!」

「ほんまにここまででええの?もっと送ろうか?」


と最後まで僕の事を気遣っってくれていました。

別れ際弾けるような笑顔で


「またな~!!」


って。

次また会う約束をもらったような気がして、一人でニヤニヤしていた。






2:出会いにも良し悪しが


愛知県に入った時のお話。

その日もまた車から声をかけられました。

「お兄ちゃん歩き旅か!?車乗ってけよ!」

その人はトラックの運転手で、かなり威勢のいいおっちゃんでした。


「観光に連れてってやるよ!」

とおっちゃんは名古屋の市街地を周ってくれ

単純にいい人だなー、と思っていました。

そしてちょうど昼御飯時に

「腹減ってきたなあ!おごってやるからラーメンでも食いにいくか!」

「本当ですか!?ありがとうございます!」

そしてラーメン屋に移動する。

到着するなり、おっちゃんが急にこんな事を言いだした。

「あ!俺今日財布忘れてきたわ!」


「あ、そうなんですか?じゃまた次の機会ってことで」

「いや、あのさこれも次会うか分からない出会いやん?」

「はあ…」

「ちゃんと返すから金貨してくれんか?」


「は?」

一瞬考えたけどやっぱりそれはおかしい。。。

「あの僕旅してる身なんでさすがに人にお金を貸すのは無理です」

「いやだから返すっていっとるやん?」

「いや、ちょっと無理です」

「はああ?信用できんの?返すっていいよるのに!」


そう言っておっちゃんは車を出しだした。

かなり怖くなってきたので

「あの、もうここでいいので降ろしてもらえますか!?」


おっちゃんは納得いかない様子だったのだけどつまらなそうな顔して降ろしてくれた。


「ちょっとタバコが切れてイライラするからタバコ代だけ貸してくれん?」

どこまで厚かましいんだと思ったけど、勉強代だと思って500円だけ渡した。

その後は何事もなく去っていったんだけど、後味の悪さが半端なかった。


出会う人も良い人ばかりじゃない。

その日はそれを身にしみて経験することになった。





3:初のスポンサー


愛知県豊川市を歩いていると、前から向かってくるお兄さんに声をかけられた。


「こんにちは~」


「あ、どうもこんにちは~」


「歩いて旅してるの?」


「はい、一応日本一周で、今は北海道目指してます」


「そうなんだ~実は僕ね、アウトドアメーカーで働いてて会社がすぐ近くにあるんだ。ちょっと寄ってウチの商品使ってみない?」


「…………………え?………マジですか?」


なんとこのジョージさんといわれる方、日本でも有名なアウトドアブランドの「SOTO」に勤めてるらしく、ちょうど仕事中車で僕を見かけて声をかけたらしい。


やましい気はなく


「自炊したいんですけど、バーナーセットがなくてですねぇ」


とこぼすと


「わかった!じゃウチのこの商品使ってみて!」


エエエエエェェェェェェ!!!(゜Д゜;)



新品のバーナーセットを頂いてしまいました。


一緒にワッペンももらったので一枚は帽子に装着しました!


この日は自分の中の何かが動き出したようなそんな一日だった。

あの道を一分でも歩くのが早くても遅くても出会うことは無かった出会だった。

続きのストーリーはこちら!

福岡から歩いて日本を一周する間に出会った人や出来事のお話  其の四

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