クレーム受付係として毎日怒られ謝り続けていたOLが、たくさんのお客様から感謝される仕事に出逢い『あなたじゃなきゃ』と笑顔で言ってもらえるようになった話
嘘みたいな事実
彼女たちのように 楽しく働きたい
そうは思っても、現実は甘くなかった。
まず、自分にできそうなことを探した。
すると、なんと・・・
・・・ひとつも無かった。
主に事務職しか経験してこなかった自分には
できることが、ない。
昔から続けていることもなく、
これと言って特技もなく、
仕事にできるようなスキルがなにもないという現実。
でも有難いことに
私には、やる気があった。
丈夫な体があった。
そして、割と忍耐力もあったらしい。
その時は気付かなかったけど。
そして、何もできない割に
前向きだった。
何かできるようになればいい
だったら、何かできるようになろう
そう思っていろいろ試してみた。
アロマ(女の子らしくて可愛いかも)
ネイル(自分で出来たらいいな~。やってみた。でも挫折)
料理教室の師範資格(ただ楽しく通っていたら取れた)
イヤーセラピスト(痩せられるかも)
服とネイルと美味しいものくらいしか興味のない
お気楽OLの私が思いつくことなんてたかだか知れていて、
できたらちょっと可愛いかも、得かも
そんな事くらいしか思いつかなかった。
いつの間にか父の言葉は忘れていた。
自分のことしか考えていなかった。
バカでよかった!
資格は取れても、活かすことができない。
いくつ取っても、何を取っても。
そんな私に、チャンスが巡ってきた。
そのチャンスは、
ちっとも『チャンスですよ』なんて顔はしてくれてなかったけど。
一言で言うと、会社を辞めることになった。
ただ、結果的には、それがいいきっかけになった。
取得した資格のひとつで料理教室の講師として働くことになった。
教室で生徒さんたちは、楽しそうだった。
「楽しい」「わかりやすい」
そう言ってリピートしてくれる生徒さんが少しずつ増えた。
できが良くなかったおかげで、
「できない」気持ちがよく分かった。
「できない」が「できる」ようになって、楽しそうだった。
生徒さんが笑ってくれて楽しそうで、本当に嬉しかった。
人を笑顔にするようなこと、できてなかったなぁ
いつも笑顔で
「ありがとうございました~!」と言って帰って行く生徒さんを見て、
人から笑顔で「ありがとう」と言われる仕事って、
なんて楽しいんだろう!
そう思った。
久々に、父の言葉を思い出した。
初めて父が言っていたことの素晴らしさが分かった気がした。
取り敢えず始めた講師の仕事でこんなに楽しいなら、
本当にやりたいことだったら、
どれだけ楽しいんだろう!
頭をよぎったのは、美容に関する仕事だった。
高校卒業と同時に進みたかった美容の道。
唯一向いていると思えたことだったのに、
断念してしまったことを、ずっと後悔していた。
若くないとできない
そう思い込んでいた道だった。
既に30代に突入していた。
だが、どうだろう。
私の周りの30代の女性達は、どんどんやりたいことをやっていた。
数年前、起業している女性達の会に参加して以来、
私の周りは、そういう人たちばかりになっていた。
私はツイていた。
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