入社2年目の春、突発性難聴になった話【第1章 はじまりは突然に】

前話: 入社2年目の春、突発性難聴になった話
入社してまるっと一年経って、もうそろそろ2年目になるな〜、みんな異動の話で持ちきり、仕事は年度の切り替えでバタバタ、あーもう仕事終わんないよ!っていう3月のある日。

私は毎日、通勤電車の中で、耳にイヤホンして音楽聴いてる。
満員電車の中での唯一のお楽しみ。本は満員になるまでのお楽しみ。
ぎゅうぎゅうになったら、音楽に切り替える。

この日もいつもみたいに、音楽聴こうと思ってイヤホンを耳にさした。

大好きな大好きな大好きな海外ドラマの音楽。これを聴けば今日も一日仕事乗り切れるぞー!ってテンションMAX。

いつもの調子でプレイリストを選んで、再生。



「あれ?」


音がおかしい。
不協和音に聴こえる。
イヤホン壊れたのかなーって、片方ずつ着けてみる。
右は普通。左がなんか変。
最初は「あ、そっか。イヤホン左側だけ壊れちゃったのか。こんなこともあるんだなー、珍しいなー」って思っただけ。
なんとなく不協和音が嫌で、音楽聴くのやめてイヤホンを耳から外した。



「あれ?」



電車のブレーキの音とか、車内アナウンスの音とか、発車ベルとかすべての音がなんだか変。
壊れてるイヤホン外してるはずなのに。

一つの音に対して、音が反響してもう一つ高い音が聞こえる感じ。キーン、キーン、ピー、ピー、
全部の音が反響して、気持ち悪い。

こんなにも音がおかしくなって、原因はイヤホンじゃないことがはっきりわかった。


ーわたしの耳がいつもと違うんだー


歩くのも、なんだか違う。ぽこぽこぽこって、耳の奥の方から謎の音がする。

周りをキョロキョロ見たり、耳塞いだり、挙動不審になりながらなんとか職場に到着。



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