下心バリバリでSTORYS.JPに投稿したら本当に書籍化されちゃった話 その2

前編: 下心バリバリでSTORYS.JPに投稿したら本当に書籍化されちゃった話 その1
後編: 下心バリバリでSTORYS.JPに投稿したら本当に書籍化されちゃった話 その3

楽勝だと思ったのに

9月の上旬に編集の方と初めて打ち合わせをして、本当に書籍化されるんだと実感した。

すでに投稿したストーリーがあるのでそれに多少手を加えて、11月くらいに発売する予定というような話だった。

「車いすの男性で出会って結婚するまでの5年間の話」が11話

「コネで適当に決まった就職がその後の生き方を変えた」が10話

「高校生で脊髄損傷になって、軌道修正した夫の人生」が後日談と合わせて2話

「車いすテニスに出会って感激して、このスポーツを報道したいと思っていたら念願が叶って、気付けば世間に追い抜かれてた話」が12話

これだけ書いたんだから、かなりの量があると思っていた。まあ、楽勝だろうと思った。が、そんなに生易しいものではなかった。人生甘くない。

出版社が書籍化の話を持ってきてくれたきっかけは、たまたま「高校生で脊髄損傷になって、軌道修正した夫の人生」が編集者の方の目に留まり、私が投稿していた原稿を全て読んでくれて、「これをまとめて本にしたい!」と思ってくれたことだった。

最初に読んでくれたのは「高校生で脊髄損傷になって、軌道修正した夫の人生」だったようだけど「車いすの男性で出会って結婚するまでの5年間の話」のプロローグを読んで、「これは本になる!」と思ってくれたそうな。

文章も読みやすいと言ってもらえて、一応本業はライターだったので、大手出版社の編集さんに褒められるなんて、ライター冥利につきると思って心の中ではニヤニヤしていた。

そもそも、ネットに書く原稿というのは、紙媒体と違って相当柔らかく書いてしまうものだと思う。いつも気を付けていたのは、長くなり過ぎないこと。たまにブログなんかを読んでみると、いつまでもいつまでもスクロールさせられて、終わりが見えないものがあったりする。

以前、ブログもやっていたけど、せいぜい1回のスクロールで完結するように気を付けていた。STORYS.JPに投稿するときも、1話があまり長くなりすぎないように意識していた。だから、いくら「かなり書いた!」と思っていたも、書籍にしようとすると全く足りなかった。

最初に、編集の方がいままで私が投稿したものを全部ひとまとめにして、なんとなく時系列に並べ替えて、そして章を割り振ってくれた。例えば、第1章は夫との出会いのところを20ページで、第2章は40ページ、第3章も40ページ……というような感じで。

すでに書いたものもあるから、それに肉付けすればいいと思ってとりかかってみても、全く書けなかった。それ以前に、書かなくちゃいけないと頭では分かっているのに、いざPCに向かうとネットであれやこれや調べたり眺めたりしてしまったり、いつもは手抜きなのに家事をしてしまったり、要するに原稿を書く気にすらならなかった。

朝、小学生の息子を送り出して、幼稚園に娘を送って買い物なんかも済ませて家に帰ってきて、とりあえずどかっといすに腰を下ろしたら、ちょっと休憩、もうちょっと休憩、あともうちょっと休憩となってしまう。

といっても、その合間に洗濯して、掃除して、食器を片付けてとやっていると、あっという間に娘のお迎えの時間が来て、息子が帰ってきて、子どもたちの習い事に出掛けて、帰ってきたらすぐに夕飯、お風呂、寝かしつけ。

子どもたちが寝て静かになろうとするころに夫が帰ってきて、また食事の支度、そして自分のお風呂、寝る用意。

じゃあ、夜仕事でもしようかと思うのだけど、PCに向かって原稿を眺めていても、遅々として進まなかった。だからといって、早朝も起きられず。そんな状態が、1週間以上続いた。

いや、さすがにこれではまずい! 締め切りも迫ってきてしまう!

思い切って、娘を幼稚園に送るときにPCを持っていって、送ったあと家に帰らずに喫茶店に入って作業してみることにした。学生時代は、お店とか図書館で勉強するのは考えられなかった私だったけれど、とにかく一度家の外で作業をしてみようと思った。

すると、あえてPCをネットにつながらない環境にしていることもあって、原稿に集中できた。PCを広げている以上、なにか仕事らしいこともやらなくちゃという軽いプレッシャーもある。

ようやく仕事のペースがつかめて、執筆も進むようになった。でも、指定されたページ数を埋めるのは、かなりしんどい作業だった。とりあえずページを増やすために、ほとんど箇条書きのように、思い出したことをただただ書いていた。

こんなんでいいのか? と思いながらも、なんとか指定の枚数の原稿を締め切りまでに書き終わった。

が、本当の始まりはこれからだった。


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下心バリバリでSTORYS.JPに投稿したら本当に書籍化されちゃった話 その3

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