ガラケー(ガラパゴス携帯電話)からスマホが主流になってから、密かに起こった革命的な出来事がある。
何かというと、「誰にも見られたくない」レベルがガラケーと比べ物にならないほど増してしまったということだ。だから、ほとんどの人がパスワードロックをかけるようになった。
それは、見られたくないものが格段に増えてしまったためだ。まさにアプリの存在がそれだ。
信じられないと思われるかもしれないが、女性に男性がスマホ画面を見られただけで交際が終わるケースが多発している。
ある女性のケースを見てみる。20代後半の派遣社員の女性の話だ。
お客様「大西さん、私の彼はスマホに出会い系アプリを入れていたんですっ!」
私「えっ、ちょっと待って。その前にどうやって彼のスマホを見たんですか?」
お客様「見たっていうか、パッと見えたんですよ。彼のスマホはパスワードを6文字入れるものだし、数字に見当もつかないから、勝手に見られないんですよ。」
私「てゆーか、なんでそんなこと知ってるんですか?」
お客様「あっ、えーと・・・。そ、それは・・・。私のスマホとおそろいだからですよっ」
今のスマホは、ほとんどみんなパスワードロックをかけている。彼のように出会い系アプリをスマホに入れて画面表示させている場合、それだけで人に見られたくないシロモノになる。
「どこで見たのですか?」
「電車の中です。」
なるほど!食事などのデートだとだいたいお向かいになるので、スマホ画面は見えない。
しかし、電車だと横に並ぶから、見えてしまうということかっ。
彼女は続けた。
「『なんで出会い系アプリをスマホに入れてるの?』って問い詰めたんです。そうしたら、彼のほうが、『入れっぱなしになっていただけだよ。中は見てないよっ!』とその場で消してくれたんです。」
「じゃあ、もういいじゃないですか。」
「でも、スマホのアプリってすぐに再インストールできるじゃないですか。」
「た、たしかに!!」
「なんだか信じられなくなってしまったんですよね。」
「で、それで別れたんですか?」
「いえっ、別れたのは次のデートです。」
次のデートもトラブルは電車の中で起こった。
彼がスマホをいじっている時に、彼女はなんとかして画面を見ようとする。
お客様の元カレ「ちょっと!なんで画面をのぞくんだよっ。」
「また、出会い系のアプリを入れてないか気になったんだよ!」
お客様の元カレ「もう、入れてないって。だからのぞくなよ。」
「いや、確認するまでやめないっ!」
と二人で電車の座席でバタバタしていたら、ポロッと彼のスマホが落ちた。
彼女はすぐに拾い、画面を見た。
出会い系のアプリはまたもや復活していた。
しかし、もっと大きな問題があった。その隣にあるイヤラシそうな動画アプリの存在だ。
「ああああああああ!!!!!なにこれーーーー!!!エッチなやつじゃないの?」
「おい、やめろよ。電車で大きな声出すなよ。」
「なんで消したはずのアプリも残ってるのよ。それだけじゃなくてこんなイヤラシそうなものまでっ!」
「おまえっ。人のプライバシー侵害しといて、批判する資格あるのか?ああ?!」
「ああ、開き直るのね。だったら別れる!」
「ああ、別れていいよ。どうせアプリでもっと可愛い子探すから」
と捨て台詞を言われて終わったという。
彼女は、ため息をついた。
「私は自分だけを見て欲しかっただけなんですけどねぇ。なんか大事になってしまって。」
「ああ、本当ですね。でも、彼もスマホの見えるところにイヤラシイアプリも出会い系アプリも入れなきゃよかったのに。」
そう、トップ画面にフォルダを作ってそこに入れておけば、彼女にバレることはなかったのである。本当に見られたくないアプリは、トップ画面に表示させてはいけない。
「確かに、出会い系アプリを再インストールされていたら、私も別れるかな。なんか雑に扱われているみたいで嫌ですね。」
「でしょー。だから私はスマホの画面を確認したいんですよね。」
「気持ちは分かるんですけれども、画面をのぞく女っていうだけで嫌われてしまいませんか?何もないってわかる頃には、男性の方があなたに冷めてしまうリスクは考えたことがありませんか?」
「えっ!?」
彼女はかなりびっくりしていた。スマホ画面を確認して、何もなければ安心だと思い込んでいたからだ。自分が男性に嫌われるっていうことを意識したことがなかったらしい。
「今回は、もう一回出会い系アプリを入れるような軽薄な男だとわかってよかったんですが、もし誠実な男性だったとしたらマイナスに働きますよ。」
「そ、そうなんですか?!」
「そうですよ。スマホ画面をいちいちのぞく女って、なんかイヤラシイですよね。男性は、『この女、いちいちスマホ画面をのぞいて、オレのこと信用していないな。』と嫌になられるものなんですよね。それに、スマホ画面を確認して何もなくても安心なんて本当は出来ないですよ。」
彼女はかなりびっくりしていた。
「ど、どういうことなんですか?」
「スマホを2個以上持っている場合もありますよね。」
「あーー!!!本当ですねっ!スマホを2個以上持っていたら、話が変わります。」
「最近は格安スマホもたくさん出ていますからね。」
「じゃあ、私がしていることは別れるリスクしかないってことですね。」
「そういうことになりますね。」
しかし、彼女は全く納得がいかない様子だった。
「じゃあ、どうやったら彼は信頼できる男なのかってわかるんでしょうか。」
なかなか、難しく、そして鋭い質問である。
「うーん。それは人それぞれというしかないですね。しかし一つだけ言えることは、スマホを見たところで信頼できる男かどうかはわかりません。しかも、あなたが画面をのぞいていると彼にバレた段階で、信頼関係は壊れるということです。それと、そもそも信頼できる男かどうかっていうのは、信頼し合える関係性を作れるかどうかということなのです。最初は誰もが信頼関係はゼロです。お互いに約束をちゃんと守ったり、意思を尊重したりする中で築き上げられるものです。だから、信頼できる男だけを探すっていうことは本来不可能なんですよ。」
「あーあ。手っ取り早く信頼できる男だけが分かれば本当に楽なのになぁ。」
「残念ながらそんな方法はないんですよー。」
彼女は、がっかりして帰っていったけれども、もう二度とスマホをのぞくことはないだろう。
しかし、スマホなんてなければ続いていたカップルは結構いたかもしれない。
出会い系アプリ、アダルト動画のアプリなど、他人に知られたくないものがアプリになって、スマホの画面上にむきだしになっている危険性がある。
特に、男性は絶対にスマホ画面をチェックして欲しい。女性はかなりの割合で、電車に一緒に乗っている時に、となりで男性のスマホをちらっとのぞいている。見られたくないものは、もう一つのスマホか、画面からは見られないようにしておくのがおすすめだ。スマホはのぞかれるものだと想定して画面を整理しておかなければならない時代になったのだ。
それから数日後、ひよこさんとデートに出かけた時のこと。
ひよこさんが家にスマホを忘れてしまった。
ひよこさん「どうしても電話をかけなければいけないところがあるから電話貸して。」
と言われたので、スマホを渡した。
すると、ひよこさんがびっくりしていた。
「あ、あけみちゃん・・・。40歳も近くなってこんなにゲームアプリばっかり入れたらダメだよっ!がっかりだよ!!」
(あ、しまった!!!!)
と思ったけれども、時すでに遅し。
すごろく系アプリ、パズル系などゲームアプリだらけの画面を見て、ひよこさんは思いっきり呆れた様子だった。
ああ、すでに結婚をしていてよかった・・・。
8月10日に出版が決まりました「となりの婚活女子は、今日も迷走中」(大西明美著、かんき出版)
Amazonでのページも出来まして、いよいよ船出ですm(_ _)mm(_ _)m
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