高学歴フリーターのすすめ ~私はこうしてフリーターになった:研究室配属~
もちろん大学院まで行って、フリーターになりたかったわけではない。
私は誰にもできないような、ものすごいものを創りだしたかった。
イノベーション(既存の価値を打ち破るような価値あるものの創造)である。
ただし、大学生の頃は授業がつまらなく、部活動以外にはほとんど無関心で、もちろん勉強なんてほとんどしなかった。
あるとき、(寝ることもサボることもできない)化学実験の授業で、教師がNa+とK+の違いについて語った。
水分子と各イオンの水和の差が液体の流動性の差になるという。
ここで閃いた。
塩に強い植物がNa+ではなくK+を取り込むのは、細胞内の流動性を上げてサラサラにするためではないか?
実は、中学生の頃に砂漠化について図鑑を読んでおり、植物の耐塩性には少しだけ関心があったのだ。
しかし、怠惰な学生時代。
インターネットでググる習慣がなかった当時、そのことだけ頭の片隅に残して、やっぱり部活動ばかりして時間を過ごした。
大学生4年になると、研究室に配属される。
「ついに来たか!」といくつかの創作的アイディアを教授に話してみたが、自由に研究させてくれそうな研究室は耐塩性の研究室だけだった。
別の大学院やテーマを探そうか...。
そんなふうに悩んでいたところ、
「ここで論文を書いて、出ていけばいい。」担当の教官にそう言われ、その気になった。
植物を対象とした創作的な研究が、どれだけ難しいかわかっていない。
4年生のうちに論文が書けるものだと思っていた。
聞かず調べず できると思う 無知の蛮勇 思い込み
著者のKuriyama Satohiroさんに人生相談を申込む
著者のKuriyama Satohiroさんにメッセージを送る
メッセージを送る
著者の方だけが読めます