「お母さんが、フルタイムで働くのは、無理ですよ」と部長は言った

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「お母さんが、フルタイムで働くのは、無理ですよ」

と部長は言った。

それが決して、否定的な意味でないことは私の中で自明だった。


部長は

「お母さんは、ぼーっとしているくらいが一番ですよ。」

とも言った。

きっちり、きっちりとしたことを求められる社風の会社だったにも関わらず。


「疲れているように見えるけど、大丈夫ですか。」

とも言った。


その時私は、自分で疲れているということもわからないくらいになっていたが、

気が付けば、体重が過去最低に近づいていた。


そう、「お母さんがフルタイムで働くのは無理」というのは、

子育ても、社会人も、すべて始めたてで、アップアップだった私に、

「無理に完璧にしようと思わなくていいんですよ」という、

部長からの最大の思いやりだった。

(むろん、仕事を辞めろということではない。)



内定をいただいた新卒の時から、子供がいた私を、とても気にかけて、

応援してくれていたうちの1人が、その部長だった。


ある時は、

「あなたは、帰ってからの時間、お子さんがいるので大変だと思います。

会社から毎月出される読書課題をこなすことは可能ですか?」

と気に掛けるメールを送ってくれた。


でも、頑張りたいと思っていた私は、

できる限り読めるように時間確保に努める旨とともに、

「私は放っておけば、自分のために努力をむさぼる人間です。

子供を授かったことで、自分を抑えてでも、誰かのために奉仕することを

学ばされているのだと思います。」

というようなことを返信した気がする。


よくもまあ涼しいことを返信したものである。

家に帰ってからは、子供とぐだぐだだったし、結構泣き言を言っていたくせに。

娘が寝て、家事を終えたら夜12時ごろだったので、

あと1時間だけ・・・

毎日1時間ずつだけ勉強した。

みんなの読んで良かった!