お見合いをした人たちが交際に至らない原因で最も多いのが、「メッセージ」だ。LINE、ケータイメール、Messenger、パソコンメールなど形態はさまざまだ。
お見合いをして、一度目デートをして二度目会う前のやりとりでだいたい破局をしてしまう。
つまり2回会って終わる。破局する人は、何度も同じ原因でさよならを告げられる。
意外にもメールの返事が遅いのが原因ではない。メールの返事が遅い時は、たいてい遅い側のほうが
「もう辞めたいな」
と思っている時だ。
「この人、メールの返事が遅いから断ります」
というよりも、
「もう、付き合う気ないわ。返事するのも面倒だわ。」
という展開になる。
メールを待っている方のほうが、
「早くメールが来て欲しい」
と前のめりなことが多い。
「相手が辞退しました。」
と私がお客様にお知らせすることになるが、これは本当に辛い。
「ああ、また振り出しに戻った」
と、お知らせされた側は例外なく凹む。本当に早く婚活から開放してあげたいと胸がきゅーんと痛む。
つまり、返事が遅いことは相手の気持ちが離れた結果であり破局の原因ではない。
破局の原因は、「メールの內容」にある。そのお話を今からしよう。
ある日、私のところに相談に来た女性がいた。30代前半だ。見た目も可愛らしいので、男性はほぼ100%お見合いを受けてくれる。本当に男は容姿に弱い。
しかし、2回めのデートに至るまでにいつも男性から「辞退します」という連絡が私のところに来た。お見合いをした男性たちは全員同じことを言っていた。
「メッセージがうざいから辞退します!!!」
ということだった。
あまりにも同じことを男性が口々にいうので、ついに勇気を出して私は辞退を告げたうちのひとりの男性に直接会って、お願いをした。
「うざいと思ったメッセージを見せてくれませんか。絶対に女性には言わないので。あなたが断った理由もちゃんと理解したいのです。そうすればもっとふさわしい人を紹介できますっ!」
「おっ、もっといい人を紹介してくれるんですね?」
「はい、もちろん!」
よっしゃ!これで謎解きが出来る!
男性は彼女とのLINEのやりとりを一部見せてくれた。
見て3秒でうざっ!と確かに思った。
何故かと言うと、メッセージがすごい長いのだ。
「メッセージがすっごく長いんですけど・・・」
「そーなんですよねっ。でもそれはそんなにうざい材料ではなかったんです。最初は。」
「えっ、メッセージの長さの問題ではないのですか。」
「はい。好きな子のメッセージならどれだけ長くても苦痛はないです。」
どうもメッセージが長いか長くないかということだけでの判断ではないらしい。
よく読んでみると、確かに相手の気持ちが良くなるような文章だった。
女性からのメール「今日は本当にありがとうございました。お見合いの時のお茶代までごちそうになりましたが大丈夫だったでしょうか。 私にお会いしてくださったことが本当に嬉しかったです。(中略 色々嬉しかったあれこれが書かれている)あなたの話題もとても興味深くて、時間が経つのを忘れてしまうほどでした。おっしゃってくださったおすすめの本もさっそくAmazonで購入をしました。これから読んでみます。ものしりな人を本当に尊敬します。私もふさわしい人になれるように努力をしなくっちゃと思いました。またお会いできるのを楽しみにしています。」
おおー。すごいなぁ。謙遜で相手を立てて尊敬する気持ちを見事に表現をしている。ほとんどの男性はこういうメッセージをもらって悪い気はしないだろう。しかも彼女はとても清楚で美人な子だ。こりゃ男性はテンションあがるなぁ。
「大西さん!」
ハッとして男性の方を見る。そうそうまだ話の途中だった。
「あ、ごめんなさいね。確かにこういう感じで長いのだったら全然問題無いですね。」
「そうなんですよね。でも、こういった內容のメッセージは最初で最後だったのです。これ見てください。」
次のメッセージは決して長くはなかった。
それは、1回めのデート後のメッセージのやりとりだった。こちらである。
「今日はスーツじゃなかったんですね。なんか感じが違いましたね。」
「えっ。どういうこと?」
「いや、感じが違うな〜と思ったんです。お見合いの時と比べて」
男性は、ここですでにカチンときたらしい。
言いたいことが伝わってくるけれども、はっきり言わない。
しかしハッキリ言わないけれども、彼女から心の指図が聞こえてくる。
「(私と会うときは、スーツを来てよ。こんなださい普段着で隣を歩かないで!)」
という心の声が聞こえた。
男性は納得出来ない様子だ。メッセージのやり取りは後半に続く。。。


