歩けない猫「どん」との出逢いから別れまで-1-

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次話: 歩けない猫「どん」との出逢いから別れまで-2-


「事故の状況はどうだったんです?」

「K先生♪」







「オス猫ですね、推定年齢6歳くらいかな~?顔にケンカ傷があるから、もしかしたら野良か・・・
外猫なのかなぁ~?
命に別状はないようですが、ちょっと気になる事があるので・・・今夜は入院させてもらって、詳細は明日詳しく調べてみます。明日の夜 来ていただけますか?」








悲しみと衝撃の事実



翌朝、手始めに某媒体の『迷い猫』コーナーに飼い主捜しの内容で載せてもらう手配をとる。

この日は、まるで仕事が手に付かず、業務が終わると同時に会社を飛び出し、動物病院へ直行!
昨日は時間外で、わからなかったけど、ここはけっこう人気のある動物病院らしい。
小さな待合室が人と動物たちで溢れていた。

「くりてんさん、どうぞ診察室へお入り下さい」

呼ばれて中に入ると、助手の女の子(人間で言うところの看護婦さん?)が3人もいた。奥さんと二人でやっている小さな個人動物病院?と思っていた私はちょっと驚いた。

奥にある色々な機材の置かれた部屋に通されると、そこには渋い顔をしたK先生がいた。

「先生、昨日は どうもありがとうございました」
「それは気になさらなくて結構ですよ~。そよれり重大な事実があるんですけどね・・・」

間髪入れずに先生が続ける。

「この子・・・背骨折れちゃってるんですよね。
それだけだったら良いんですけど・・・もしかしたら、神経までいってるかもしれない・・・」


「神経?ってことは、もしかして・・・?!」

「はい、もしそうだったら・・・
この子は一生 歩けないかもしれない・・・」


私は言葉を失ってしまい・・・気が付けば目から とめどなく涙が溢れていた・・・。


「更に、それを確認するためには・・・造影剤を入れて検査しなくてはわからないんですけど・・・
この検査が非常に危険が伴うもので・・・

造影剤を入れただけで「ショック死」してしまう例が過去に けっこうあるんですよ・・・


「・・・・!!・・・」


「くりてんさんが本当に飼い主さんだったら、どうするべきか?
ご判断を委ねて 診療できるんですけど・・・・
こういう場合は非常に難しいんですよね・・・

変な話になっちゃいますけど、飼い主さんの考え方っていうのはそれぞれ違いますからね?

『その検査じゃないとわからないんだったら、もしダメでも仕方がないのでやって下さい』と思うのか? 
『たとえ歩けなくても良いから、絶対に死なせたくないです!』と言うのか?

ひどい時だと『検査・手術で莫大な料金がかかるんだったら、安楽死させちゃって下さい』といわれる方も、中にはいらっしゃるんですよ・・・
でも私は仕事なんで、飼い主さんの言われたとおりにすることしかできない・・・
もどかしい現実です」

「・・・何はともあれ・・・まずは飼い主さん探しが先決ですね・・・」


苦難の飼い主さん探し




「猫 飼ってますか?」

「最近、お宅の猫がいなくなっていませんか?」




「んなもん いないよっ!!<ブッチン>」









「裏のお宅にも猫が居たはずだから、寄ってって ごらんなさい」



「お嬢さん、偉いわね~、猫好きなんでしょう?」

「うちでも猫飼ってるから、どうしても放っておけなくて・・・」

「お茶でも飲んで行かないかい?」









「あら?あの時の事故の猫ちゃん、飼い主見つからないの?」

「ああっ!あの時はありがとうございました!」

「なんもだよ~。あれからずっと探してるの?
あの猫ちゃんは、どうなったの?今どこにいるの?」




「もし何か情報あったら連絡するから連絡先教えてちょうだい」






「あらっ!うちの○○ちゃん、そういえば居ない!」

「いつからですか!?」

「つい1時間ほど前!!」

「じゃあ違いますね・・・事故は3日前ですから・・・」

「あっ、そうなの? でもどこに行ったのかな・・・・
○○ちゃん!!ああ~居た!居た♪(安堵・・・)
そんなところに寝てたのね~」






疑惑の電話













「事故があったのは、どのへんなんですか?うちで5匹ほど 外猫がいるんだけど
(実際に飼ってはいないけど、エサだけ与えてるという)最近一匹のオスを見かけないんです」



ようやく飼い主にたどり付いたのか!!



「その病院はどちらなんですか?」

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