歩けない猫「どん」との出逢いから別れまで-1-
「フン、なにさ!」
左上には黒猫「ちーちゃん」
まんなかの上段には「ノラ」。
コイツらが「主」
「くりてんさん・・・私からの提案なんですけどね?
もう飼い主さんを探す最大限の努力はしたと思いますから
どうでしょう?検査だけでもしてみませんか?」
「・・・そうですね、ただイタズラに時間だけ
過ぎちゃうだけですよね・・・?」
「うーん・・・・・言いにくい話なんですけどね・・・?
こちらとしても動物病院という性質上、料金を1円も頂かない
っていうワケにはどうしてもいかないものなんで・・・」
「あ、もちろん 料金はこちらでお支払いしますから・・・
この子の検査・・・してやって下さい」
「あのですね?非常に申し訳ないんですけど・・・
かかる必要経費だけということでご負担いただくわけにいかないでしょうか・・・?」
「そんなワケにはいかないですよ。。。ちゃんと全額お支払いしますから・・・」
「くりてんさん、きっとこれも何かの運命ですよ!!
この子と私とくりてんさん・・・何か見えない糸のようなもので
結ばれていたような気がしてならないんですよ
ハッキリ言ってしまえばこの子とは「赤の他人」のくりてんさんに、そこまで高額の負担させるのは、私としても治療してて
気がひけます。今後の事もありますし・・・
どうでしょう?
私に医師として精一杯のことをこの子にさせてはもらえませんか??」
「そんな事 申し訳なくて、とても受けられないです」
5 決意! ~「どん」の親になる・・・
そんな日々の中でも、先生は色々な治療を彼に施してくれ、少しでも普通の家で生活できるような状態に近づけよう?!と努力してくれた。
そうして月日だけが ただ過ぎ・・・
気が付けばもう「あの日」から数ヶ月が過ぎようとしていた。
この間も先生と「引き取る、引き取らない」という押し問答?は
何度かあったんだけど、優しい先生の押しと厚意。。。
そして自分達の中にも・・・
「足の悪いこの子を・・・・
ちゃんと面倒みてあげられるのだろうか?」
という大きな不安材料があったので、それ以上強く言えないまま・・・
あっというまのような・・・・
実は長~い月日が流れていたのである・・・。
折れた背骨はくっつき、かなり元気になって、とりあえずは、きちんと自分の意志でご飯を食べられるようになったドン。
相変わらず歩けないけど、おしっこは、定期的にできるまでになり(垂れ流しだけど・・・)猫らしい表情も浮かべるようになってくれた♪
そんな中・・・。
私たちは ついに決断した!
先生に もうこれ以上甘えてばかりはいられない!
彼を・・・
「ドン」を家族として迎え入れることを・・・。
「ドンをうちで引き取らせてもらえませんか?」
「本当に良いんですか?
簡単な事ではないですよ??
歩けない猫を飼うということは・・・」
ストーリーをお読みいただき、ありがとうございます。ご覧いただいているサイト「STORYS.JP」は、誰もが自分らしいストーリーを歩めるきっかけ作りを目指しています。もし今のあなたが人生でうまくいかないことがあれば、STORYS.JP編集部に相談してみませんか? 次のバナーから人生相談を無料でお申し込みいただけます。
あなたの親御さんの人生を雑誌にしませんか?
著者のくり てんさんにメッセージを送る
著者の方だけが読めます