リアルな「ガウディ計画」の話 〜就職編〜

次話: リアルな「ガウディ計画」の話 〜新入社員と大きな挫折編〜

今回は目標とした医療関係の技術職への就職活動のことを書きます。あと1、2回分はタイトルにある『リアルな「ガウディ計画」』の話が出てきませんが、今しばらくお時間があればお付き合いください。


 さて大学卒業後の目標は医療関係の技術職に定まりました。

 じゃぁ実際にどこに就職活動をすれば良いのか? と悩んだ時に真っ先に浮かんだのは、「誰もが知っているような有名大手企業には就職は無理だ!」ということでした。3流私大卒、成績学科内で中位くらい、在学中に何か特別な資格を取ったという訳でもない、無い無い尽くしの私では門前払が関の山。なので、中小企業か下請企業に就職しようと考えました。

 幸い年少より引越しが多かったため、「地元で就職」という意識が全くなかったので、地方でもやりたい仕事がある土地に行って仕事をすれば良いと考えていました。(そいうった意味では選択肢は広かったかもしれません)また、給料も少ないよりは多い方が良いのですが、人一人が十分暮らすことができ少しづつでも蓄えができるような給与で十分と思っていたので、そういった意味でも選択肢は広かったと思います。


 そんな就職先探しの中で1社だけ非常に気になる会社がありました。それは関西にある当時社員数が30名にも満たないような小さな会社でありながら、会社紹介の記事の中に医療器具販売中心の会社でありながら製品開発をしていることをうたってたからです。

 「大きな会社でなく小さな会社の方が、就職後の配置換えなどで開発業務につきやすいかも。」

という考えから、この会社の会社説明を受けることにしました。


 会社説明会の内容はほぼ完璧に忘れていますが、営業が中心であること、社長の趣味的な要素が強い製品開発をしていることなどの話があったように思います。

 なんにしても採用は営業職であり、技術職ではない。なのでこの会社に就職するのであれば、数年、もしかしたらずっと営業の仕事をする可能性があることになります。当然ですよね、会社説明会で技術職の採用の話は全くなかったんですから。

 それでも私はなぜかこの会社を受けてみようと思いました。他の会社を探すのが面倒だった、という事もあるかもしれないのですが、「鶏口牛後」の考え方があったのかもしれませんし、小さな会社の方が色々な経験ができると思ったのかもしれません。なんにせよ、私はこの会社の試験を受けることにしました。


この会社の就職試験は、1次面接(グループ面接:テーマを与えられてそれに関してのディスカッションを行う)、筆記試験(私の時は確かSPI試験、それ以降私の在職中は会社独自の試験問題使用)、最終面接(個人面談:社長、営業部長、就職担当者2名(くらいだったっけ?))の試験が実施されるとのことでした。

 さて、ここで1つラッキーなことが起こります。どのタイミングで聞いたのか覚えてないのですが(多分1次面接後)、今年は研究開発職の人員を若干名採用するということが発表されました。受かる受からないは別にして、この会社に就職すると「最初は営業職」と腹をくくっていた中で、上手くいけば「技術職採用」という道がいきなり開けたんです。当然テンション、モチベーションはかなり上がりますよね。実際就職後、採用担当をされていた方より『君は一時面接は当確ラインのギリギリに居たんだよ。それが回を増すごとに「この会社に入りたい」という熱意というか、強い意志みたいなものが前面に出てきて結果いま就職しているんだよ』と、回を重ねるごとに好印象だったことを教えてもらったんです。


 なんにせよ、採取面接では「希望は技術職」を前面に押し出し自分をPR。自分に出来ることはやるだけやった、という気持ちで最終結果を待っていたところ、、、

 

就職担当者
社長より、技術職採用候補としてもう1回社長が個人面接を実施することになったので、*月*日に会社に来てください

という連絡がきました。

 最終候補に残ったということは喜ぶべきことですが、正直「え〜、社長と一対一の面接!これ以上何が聞聞きたいの?」という気持ちいっぱいで、最終面接に挑みました。


 個人面接は会社事務所の応接室で行われたんですが、社長からはまず面接というかいま技術職採用候補で残っている人員が私を含めて3名いること、他の方は大学名を聞けば誰もが知っている有名大学の学生であることを聞かされました。

 『あちゃ〜、頭の良さでは絶対に勝てない、ある意味終わった?』と思いましたが、別室の小部屋になぜか連れて行かれました。窓がない小部屋には、見たことがない機械が置かれてあり社長から

社長
ここは、弊社の研究開発を行っている小部屋です。この機械が何をする機械かわかりますか?

触っても良いと言われたので、じっくり観察させていただき、何を作る機械かは判らないまでもどういう動きをしそうか予想して話しました。結果は、、、全く違いました。一見複雑に見える構造の機械でしたが動作その物は単調なもので、「医療器具を作る機械」という先入観があったのでもっと複雑な動きをするのでは?と考えて全く頓珍漢な回答をしてしまったんですね。

 「確実に終わった。」という気持ち一杯だったんですが、社長からは衝撃的な一言が、

社長
会社としては君を採用したいと考えています。ただし、君が働く場所はこの部屋の中になります。この部屋の中で仕事をする事が出来るかどうか、続ける事が出来るかどうか考えて返事をして欲しい。回答は*月*日までに。

 内定?になるのかどうか判りませんが、とにかく採用してくれる会社は見つかりました。しかも希望していた医療関係の技術職です。でも、まずは自分なりの考えを決めてから友人、家族、就職担当教授に相談することが大切なのでは? あくまで自分のことなんで! と思い、頭が悪いなりにいろいろと考えてみることにしました。

 ★窓がない部屋にこもって仕事を続けることが可能かどうか?

   → 卒業研究も部屋にこもって作業をすることはあったので、絶対に無理ではない。

 ★技術採用と言われているけど、営業の仕事もしなければならないはず。

   → 何事も経験なので、営業の仕事も何かの役に立つはず

 ★本当に自分が物を開発できるのか?

   → やってみなければ判らない。とりあえずやることが大事。

などなど、、、。


 こうして、社長に連絡をする時がきました。当然答えは、

「私で良ければ是非御社で仕事をさせてください」

です。自分の気持ちを再確認するという意味でもう一度いろいろ考えみましたが、話を聞いた時に「やりたくない」「出来ない」と思わなかったということは、自分の中にその事に対して何か「興味がある」もしくは「やってみたいという気持ちがある」ということだったんだと思います。


 こうして私は無事に第一希望の職種である医療関係の技術職に、そして希望していた会社への就職が決まったのです。

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