何故、女性が苦手なのか閉じていた記憶の蓋を開ける事にした。<その1>
アドラーでは、トラウマは無いと言う。
本当にそうなのだろうか。
実際、私は女性が苦手で、特に多くの女性の集団は怖くて仕方がない。学生時代勉強していた心理学では、トラウマは存在すると学んだ。何が本当かトラウマがあるかどうかは実際は分からない。でも、何故怖いのか自分が一番わかっている。
何故、女性が苦手なのか閉じていた記憶の蓋を開ける事にした。
高校卒業する1ヶ月前から、21歳まで某大手スーパーの化粧品コーナーでバイトをしていました。人生で初めて働く事でお金を頂ける、そんな嬉しさもありましたが、一番楽しかったのは人生初めての社会人の男性に恋をした事でした。19歳の私にとってローレルを運転している彼は本当に大人に見えました。勿論イケメンで人柄も良く、派手でない彼に惹きつけられていきました。
しかし、私が憧れるという事は、女性が圧倒的に多い職場にとってライバルの存在は当たり前だったのです。でもライバルがいても自分にとって恋する気持ちには変わらない。恋は盲目と良くいったものです。あの頃の私にとってライバルや、障害が有る方が燃えたのです。
あの頃は、まだそれほど携帯電話があまり普及されておらず、ポケベルがメインの時代でした。バイト中憧れの彼、Tさんはお菓子コーナーの担当。商品出しや、パートのおばさんの管理、商品の受発注を行う部署に務めていた。Tさんは皆の憧れの的。何かしら女性が用事を作ってTさんに話しかけていました。
そんな中、お店の裏(バックヤード)で憧れの彼Tさんに勇気を振り絞って声を掛けてみました。
良ければ仕事終わり、晩ごはんとか一緒にどうですか?
じゃぁ、仕事終わったら駐車場でまってるわ。
バイト中でしたが、大声でやったっぁと叫びたい程でした♡きっと接客中の私は「ニヤニヤ」の状態でかなり変なテンションの私だったと思います。
そんな事を快く思っていない女子が勿論大勢いた事でしょう。でも、当時は周りがなんといようが、自分の恋する気持ちは止めれな方のです(*^_^*)
スーパーの従業員駐車場で待ち合わせをし、Tさんの愛車ローレルにのって車で30分程ドライブに連れて行ってくれました。大人の男性のエスコートに私はメロメロでした。
突然の誘いだったにも関わらず、Tさんは海の見えるレストランへ連れて行ってくださり、素敵な一時を過ごす事ができました。あの時は緊張し過ぎて、タラコパスタを注文し全部食べれなかった可愛い記憶があります。その夜は、お互いの趣味の事、家族の事、仕事の事、今興味があることなど色々話ました。正直「私、もしかしてチャンスがあるんじゃない♡???」と勘違いしてしまうほど、楽しい時間でした。
Tさんは、紳士な態度で実家まで送ってくださり、その夜の別れ際、Tさんとポケベルの番号交換をし、次回会う約束をしてくれました。この夜は幸せ過ぎて怖いくらいでした。
でも、そんな幸せな時間は長く続きませんでした。
海のレストランでデートをした数日後、バイト先では色々な噂が飛び交っていたのです。どうも、私がTさんを色仕掛けで落としているという噂がスーパー中を駆け巡っていました。スーパーは8割が女性です。そしてその殆どが噂好きのおばさま方。恐ろしいスピードで噂はいっきに駆け巡りました。しかし、実際私からデートをお誘いしたので、そう思われても仕方ないなと特に否定も肯定もしませんでした。
そう、Tさんを慕う女性が多くいたのです。
そこからTさんを慕う多くの女性からの反撃がスタートしました。その中の1人レジカウンター業務の彼女Kさんです。Kさんは、笑顔が素敵で愛嬌がありスーパー中の人気者、女性社員さんでした。ですので、Tさんとは同じ同僚になります。勿論そんな人気者のKさんを慕うアルバイトの男の子も勿論数名いたのです。
そんなある日、社員の方からバイト中に声がかかりました。
何故アルバイトの私に店長から、しかも仕事中に呼び出しがあったのか全く想像もできませんでした。
従業員エレベーターで一番上まで上がり、店長の部屋がある事務所まで行き廊下を歩いていると、Kさんを慕うアルバイトの男の子が俯きながら店長室を後にしました。何故彼が呼ばれていたのか?この時はわかりませんでしたが、後になって理由が分かり、怒りに震えました。店長の部屋はスーパーの一番上の事務所にあります。店長室のドアの前に立って、一呼吸しドアをノックしました。
ドアをあけた店長室には、店長、レジカウンター業務の上司、知らないおばさんが、ソファーに腰をかけていたのです。その場の異様な空気に恐怖を覚えました。
あまりの予想外の店長からの質問に言葉い失いました。更にたたみかけるように、
私は、言葉を失いました。女同士の会話ではないのです。父親くらいの男性から「身体の付き合いはあったのか?」と何故聞かれなければならないのか全く理解できませんでした。
理由は分かるかな?
何故私はKさんのロッカーを荒らさなければならないのですか?実際、やっていません!Kさんのロッカーがどこにあるのかもわかりません!
ロッカーが本当に荒らされたのであれば気の毒ですが、私ではありません!!
私も、だんだん怒りがこみ上げ、言葉を失い冷静さを失っていきました。
しかし、辻さんがいる事により、社員のKさんが出勤できなくんっているのは事実だ。
これを機会にT君と出会うのは辞めてもらえないかな?
もう一度聞くが、T君と身体の関係はあったのか?
ただ、ご飯を食べに行く関係だけです。
いち女子短大生の恋愛事情に、大手のスーパーの店長が「デートするな」と約束して欲しいと言ってきている。全く理解できませんでした。怒りがピークに達し、私も冷静に話す事ができませんでした。全く理解できない中、無理やり会うなと約束させられた私は、店長の部屋を後にしました。怒りと悲しみに身体を震わせながら廊下を歩いていると、ふと、Kさんを慕うアルバイト君を思いだしました。後から知った事ですが、ロッカーを荒した犯人に男性のアルバイト君も対象になっていたそうです。こじんまりしたロッカーのある更衣室ではありません。男性、女性更衣室と全く異なり、かなり大きな部屋の更衣室になります。Kさんを慕うアルバイト君は、慕うKさんから犯罪者扱いを受けたのです。本当に可哀想でした。会社側は残念ながら警察沙汰にしたくないとの事で警察を呼んで指紋を調べて貰う事はしてもらえませんでした。
女性の多い職場です。アルバイト君と私が店長に呼ばれた事はあっという間にスーパー中に知れ渡りました。勿論私を信じてくれている仲間もいました。しかし大勢のパートのおばさまは面白おかしく話しを広げていきました。
そんなある時私の担当している化粧品コーナーのレジにパートのおばさんがレジコーナーに入って来て、私の後ろに立ち耳元でこう囁いたのです。
吐き捨てるように耳元で囁いていきました。驚きました。知り合いでもないパートのおばさまに「良く働けるよね」と言われたのです。私は膝から落ちてしまいました。改めて周りになんと思われても構わない。でも憧れのTさんにだけは本当の事を伝えたい信じて欲しいという思いから、「話しがしたいです」とメッセージを送り、従業員駐車場で待つ事にしました。
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