目が覚めると密室でした。前編

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何のために常日頃読書しているのだ
本から得た知識はいかさねばならんぞと
自分を叱咤した。


お願いします開いてくださいドアノブさん
と祈ってドアノブをまわしたが
ドアノブさんは心を開かず扉も開かず

そしてまた自分の過ちに気づく
そうだ何かを頼むときや願うときには
心から切に願わなければならないし
感謝の心を持たなければならないんだ
まずは目前のトラブルに対するイライラや
仕事に早く行かなければならない不安
様々な煩悩を体から削ぎ落としていく。
トルコのケバブのように

何も考えず、無になる。
何も考えないとか無になるのは意外と得意である。

しばらくすると

フッと体が心なしか軽くなった感じがする
ケバブが削ぎ落とされたのだ。


よしこれでいい。

そして感謝の気持ちを持つこと。
自らの命があること。

そして今までに関わったすべての人
両親、家族、友人、恋人。

会社の仲間からコンビニの店員まで。

今まで食べてきたたべもの
動物、魚、野菜。
そして身の回りのすべてのもの
家具、家電、ドアノブ。







ありがとう。










心からそう思うと、なんだか目頭が熱くなった。



その瞬間!



素敵なアイデアが脳裏に浮かんだ。

ウソップ寓話の北風と太陽を
皆さんはご存知だろうか

旅行者の上着を脱がせたのは
突風を浴びせるのではなく
暖かい太陽の日差しだった。
強引な手段ではなくあくまでも
任意であることが大事なのだ。

ちなみに北風さんと太陽さんが競ったら
圧倒的なエネルギー量の差もあるし
北風さんは突風浴びせるしかないんだから
フェアじゃないなと思うのだけれど
今回の話には関係ないので伏せておく。

素敵なアイデアというのはやはり
無心になって感謝の気持ちを持ってはじめて生まれてくるのだろう。



そうだ。よくいうではないか。

押して駄目ならひいてみろ!って。



ドアノブに手をかけ引いてみた。






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とれた








こうして私は
東京のど真ん中の一室で
脱出不可能の密室に閉じ込められた。




続く!!


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