1973年シリーズ①家計簿ショック⁉︎

次話: 1973年シリーズ②初任給と14インチテレビ。

1973年生まれである。

自分の生まれた日の新聞から見る当時の世の中の様子を書いた”1973年のある日シリーズ”である。

第一回目は家計簿ショックの記事について書こうと思う。

「物価急上昇で家計が苦しい」

主婦の家計簿を公開し、その内訳について主婦のコメントが掲載されているのであるが、中身を読んでみると思わず、

「そこはどないなーんー!」

「いやいや、これは安物買いの何とやらで本末転倒ちゃうんかー!」

いちいちつっこみを入れたくなることをオカンたちがぼやいているのが面白い。


家具費の赤字の原因は、年末に買う予定だった暖房器具とクッキングテーブルを10月末まで割引期間中に購入したからだと説明している。

「それやったらお得に買い物してるやん!別に赤字計上する必要ないやん!」

早速つっこみを入れながら記事を読んでいく。

すると、この奥さんは。

「せっかく買ったクッキングテーブルですき焼きをと子どもたちに催促されますが、肉が髙くて一回だけやりました。」


えー!!!クッキングテーブルってすき焼きとかを家族で楽しめるためのテーブルなんちゃうんかー!

お得なテーブルだけ先走って買って、それを買ったから赤字になったとオロオロしているおかん。

子どもたちの理にかなったリクエスト

「せっかく買ったクッキングテーブルですき焼きを!」の声に

「物価上昇で肉が値上げしたんやから、そんなすき焼きすき焼き言いな!」

などと言っているのだ。

子どもたちからしてみれば、何が何やらのとばっちりである。

このクッキングテーブルというテーブルは、当時とても高価な物だったようだ。

初任給50,000円程度の時代に、クッキングテーブルは25,000円くらいで売られていたようである。

そういえば子どもの頃、友達の家に行くと、狭い台所にデカイ花柄のテーブルが置いてあった。

テーブルの真ん中の一部が外せるようになっていたテーブルだったと記憶している。


「コンロ付きのテーブルで鍋やら焼肉ができるねんで!外食の雰囲気やん!」

そんな感じで結構売れていた高級アイデア商品だったのだろう。


あと”手が出ぬ既製服”として、髙い既製服は買わず、自分で作るという考えも一般的だった時代のようである。

「衣服費を節約するため、洋裁を習いにいこうと思う」と言っている奥さんもいた。

しかし面白いことに衣服費の大幅赤字の原因は、海外出張に行くご主人と、息子さんの制服を新調したからだとのこと。

主婦(たぶんご本人)、娘さんのスーツ、オーバー類は自分で縫い、既製は買わないと書いてある。

「なんでやねん!おとんとおにいは、ピカピカのおにゅ~やのにウチはおかんの作ったオーバーかい!」

娘さんの心の声が聴こえてきそうだ。

おにゅー(おNEWという日本人が考えた俗語)やらオーバー(コート)とかいう言葉も最近ではほとんど聞くことがなくなった。

自分の身近でこの言葉を使うのは我が母だけである。


「食費はある程度抑えられても、本代、学用品、散髪代の値上げなどは手の打ちようがない。」

奥さんはこうこぼしている。

しかし家計簿には”パーマ”と記されてある。

700円の値上がりのようだ。

パーマ代は譲れなかったのか!

著者のIzumi Unimamさんに人生相談を申込む

続きのストーリーはこちら!

1973年シリーズ②初任給と14インチテレビ。

著者のIzumi Unimamさんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。