大学生になりました~ひでお物語~
たなぼたで大学に合格した ひでお少年だったが、それなりにほっとしていた。
でももう時は3月の中ごろ、入学式まで間がなかったので、ばたばたと手続きをして、
その足で、下宿先を探した。
大学で斡旋してくれていたので、行ってみた。
![](https://pic.storys.jp/t/24524/94a5cb8f.jpeg)
大学から歩いて10分くらいのところにある、パン屋さんのとなりだった。
交差点のど真ん中だったので、車の音がうるさいし、おまけにトイレはぼっとん便所だったのでくさい。
台所は2階の人との共同。
ちょっと悩んだけども、なんとなく勢いでそこに決めた。
![](https://pic.storys.jp/t/24528/cc9f8cc8.jpeg)
となりがパン屋だったから、あまったパンをもらったりした。
けど、 年に数回だけさ。
2階の住人は法学部の同じ1年生。めったに顔はあわせなかった。
人付き合いの悪いひでおだった。
2階の台所もめったに使うことなかった。大学の学食でたべることが多かったし。
お風呂は小さかった。
ときどき隣に住むばあちゃんと鉢合わせした。
気まずかった。
朝風呂に入ってると、怪訝な顔をされた。
車の音はうるさかった。クーラーもなかった。暑い夏はトイレの匂いがたまらなかった。
だからってことかもしれない、ほとんどだれも遊びには来なかった。
仕方なくここに2年すごした。
2年間バイトしてやっと引越し費用ができたから。
2年目の夏は、夜中のバイトをして稼いだ。
昼間は暑くて寝れたもんじゃなかったけど。
その下宿では
あまりいい思い出はないし、今ではそのパン屋もつぶれている。
下宿はあるけど、外からでは住んでいるのかどうかはわからない。
でもそんな下宿先でのいい思い出。
ある夜パン屋さんに一人の女子大生が逃げ込んできた。
いわゆるストーカーにつきまとわれているとか。
そんな時ひまなひでお少年がとなりから呼ばれた。「この女性を送って欲しい」と。
突然のボディーガード。女性とふたりで歩く夜道・・・。
なんかどきどきしてた。2月4日のできごと。
なぜか日付をよくおぼえている。
その後なんの進展もなかったけど。手をつないで歩いたわけでもないけど・・・。
それから、クリスマス時期、となりのパン屋でバイトしている女の子がいた。
パンをときどき買っているうちに少し仲良くなった。
時期がクリスマスだけに、なんかテンションあがってきたひでお少年。
で、
その女の子に・・・こく・・・・勇気のないひでお少年でした。
女の子は友達と遊びに行きました。せつないクリスマスなのでした。
つづく・・・
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