リアルな「ガウディ計画」の話 〜いろんな意味で世界デビュー〜
いくつかの話を書くことになりそうなので、気分が乗っている時に続きを書きます。後回しにすると中途半端に終わらしそうで、、、。
国内50症例を目指して地道に人体実験を続けるなか、イタリアはミラノへ新製品を使って人体実験をするために人生3度目の海外へ。(ちなみに1度目は社員旅行の香港、2度目は研修目的に行かせてもらったアメリカ横断の旅(学会や医療機器メーカーの工場見学などをするツアーでした。)
訪れた病院のお医者さんは、世界的に見てもTopレベルのお医者さんで、社会人3年目のペーペーがしかも日本人がおいそれとと会って話ができるような方ではありませんでした。そんなお医者さんがおられる病院へ準備した製品を持ち込み、オペの開始を待つことになりました。予定では2〜3症例を実施すると言う話だったんですが、、、実際には1症例で終了、しかも病院でかなり待たされるという事態(はっきりと覚えてませんが4〜6時間程度は待っていたと思います)。これはちょっとしたトラブルがその病院で発生したせいで、その影響で予定していた他のオペも全くできず、結果的に次の日の人体実験予定もキャンセルとなりました。(どの様なトラブルかは、イタリアのお医者様のメンツもあると思うのであえて記載しない様にします)
わたし的には前年の学会発表と同じでかなり消化不良な経験だったんですが、社長もお医者さんも機嫌がすこぶる良かったので「これはこれで良い結果なんだなぁ」と思うことにしました。(これが大きな間違いだったことに後で気が付きます)
また、この病院では日本ではまだ使用されていない最新鋭の医療器具が山の様に置かれ、湯水のごとく使用されていたので、待ち時間にはそれらをいろいろ見て回っていたので、わたし自身有意義な時間を過ごすことができましたが。
そうそう、書き忘れていましたが、イタリアでの人体実験も問題なく無事終了し、翌日のフォローアップでも全く問題がありませんでした。
さて、日本へ戻り引き続き国内50症例に向けての人体実験と、学会論文作成のための動物実験を並行して実施していた時期に、社長から呼び出しがかかりました。
早速準備に取り掛かれ!!
そうです、前回のイタリアでの人体実験はこの為の伏線だったんです。権威がある先生に私たちの開発した製品を見てもらい、人体に使用しても問題が出ないということをアピールすることで、学会でのライブ中継を実施させようという社長とお医者さんの裏計画があったんです。
なので、前回私的には消化不良気味の内容でも、十分なアピールができたことがわかっているお医者さんと社長は満足だったというわけです。
地下のトイレ横の酷い場所での学会発表デビューから1年。たった1年で開発した製品を取り巻く環境は目まぐるしく変化していました。
そして2度目のイタリアミラノ行き。
アメリカの学会の方へは前回同様営業部長が乗り込み学会会場の雰囲気を伝えてくれることに。
前回と違い、今回はオペをするために待たされることもありません。予定通りにライブ中継が始まり、アメリカの学会会場に向けてまずイタリアの先生が今回実施するオペに関しての説明をし、次に我々の先生が製品の説明をしながら実際のオペを開始。その間私はオペ室への入室を許可されていたので日本で行う人体実験と同じ様にオペ中の気がついた内容を全てノートに記録する作業をしていました。そしてびっくりするぐらいスムーズにオペは終了、手術後のイタリアの先生のコメントも、我々の先生のコメントも手放しで製品を誉めたたえる様な内容でしたし、学会会場で見ていた他のお医者さんからも賞賛の言葉が多かったので、『これで1年前のリベンジは十分果たせた!』という満足な気分で病院を後にしたのでした。
そして日本へ帰国し、アメリカから営業部長が戻り社長、営業部長、私で学会の反省をしたんですが
ライブ中継中にカメラマンが、たまに私が記録している手術中のメモをカメラで写そうとしていたのは知っていたんですが、まさかそんなことされていたとは、、、。そんなわけで、本人が全く知らないうちに私も無事に学会デビューを果たしていた様です。(帽子にマスク、目元しか映し出されていない状態で無事にデビューを果たしたと言って良いかどうかわかりませんが、、、)
なんにせよ、こうして学会のリベンジを終了し、あとは残りの国内50症例を終わらせるだけ、、、と考えていたんですが、この年はもう二つの海外での仕事ができました。
お医者さんと社長が非常に懇意にしている海外の先生がドイツにおられ、そのドイツでやはり製品を使用するというプランが出てきました。理由は懇意にしているということ以外にも幾つかあるのですが、、、ちょっと書くと問題になる様な理由なのでここでは割愛させて頂きます。すみません。
とにかくまずドイツで行われる学会にて、またライブで製品を使用するオペの中継するという仕事が一つ、そして海外のお医者さんがこの製品を実施に使用する、期間は1ヶ月の予定でその間に可能な限り手術で使用するという、かなりイレギュラーの仕事が行われることになりました。(季節は12月くらいだったと思います)
もともとサッカー好きな私にとって『ドイツで1ヶ月間の生活!しかも場所はフランクフルト!(でも郊外)だったらブンデスリーガの試合が観れる!!』と、かなり喜び勇んで準備に取り掛かったんですが、、、
そこは残念!!
どうも社長に先読みされた様で
と言われ、ドイツ滞在の野望はもろくも崩れ去りましたが、ドイツの学会とお医者さんへの製品説明までは同行することとなりました。
そしてこのドイツでのライブ中継時とその後の海外ドクターによる製品を使用した手術で、以前から問題としていたこの製品が持つ問題点が大きくクローズアップされ、さらなる改良と私自身がいろいろなことを考えなければならない状況へと突き進むことになります。
以下続きは『リアルな「ガウディ計画」の話 〜新たな改良と私の変化〜』編にて
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