学校設立を目指した学生が、DJになって野外フェスをつくるに至った話
全員がワイヤレスヘッドホンをつけて、無音の空間で夜の公園で踊るという
奇妙な光景ではあるのだが、中には木の影に隠れてこっそり踊る人、周りを巻き込んで一緒に騒ぐ人、音楽と自分だけの世界でただ聴き入る人、ヘッドホンを外して会話に興じる人、酔っ払ってわけわかんなくなる人、そんな自由で多様性溢れる空間を見て微笑む人、不思議そうに見る通行人
ただヘッドホンと音楽があるだけなのに、これだけ多くのレイヤーが広がり、そして誰もがあたりまえに自由を過ごしている、これが音楽空間の持つ優しさだと思った。そして、「教えること」では実現できない音楽の持つ力を感じた瞬間でもあった。
その野外フェスを皮切りに
新聞各社やWebメディア、ラジオなど
100媒体近くに及ぶ、多くのメディアに取り上げていただくことになり
2015年だけで10以上のフェスを開催し
音楽と教育の境界を限りなく曖昧に表現した空間をつくりつづけていった。
仕事に追い込まれて一杯一杯な人が命の終わりを選ばないためにも
周りの流れに合わせた未来に無理やり納得しようとしないためにも
持続可能なライフスタイルのために
当たり前の価値を深く感じていけるようにするためにも
世界にはもっと自由が保障された空間が必要だ。
音楽空間には、自由を保障する優しさがある。
学校をつくろうとしていたあの頃と、DJをしてフェスをつくっている今は
同じ文脈の上にあって、実現したい世界は変わっていない。
自由が保障された空間をデザインすること。
ただそれだけで、人は進みたい方向に進んでいけるし
優しさが循環する世界がつくれる。
フェスのチケット代金をそのまま、後進国の子供たちの保護資金として届ける仕組みもつくり
今はまだ半径30mくらいの範囲ででしか、自由を形にできないけど、その空間の優しさが少しでも、海を渡って循環していけばと思っている。
当たり前に自由が保障された
優しさが循環する持続可能な世界がつくりたいだなんて
随分自分も自由になったもんだなと思う。
「Love & Peace」なんて皆で大声で叫んで、ちょっと感動してしまう場なんて
音楽以外ないじゃないか。
自由はここにある。
おわりに
編集汚すぎて申し訳ないです・・。
虚無しか感じてなかった少年が
教育を通して、紆余曲折しながらも
希望を語るようになった話です。
大学も就職先も適当に決め
描いたビジョンも真っ当していない
ひどいキャリアです。
ただ、当時感じた強い納得感と
自由という文脈は今も大切にし続けています
手段は変わりましたが
目指したいビジョンと自分の役割は変わりません。
少し伝えたかったのは
文脈こそ決定的だということです。
「Why」とも言えるかもしれません。
例えば音楽にしろ、教育にしろ
それをなぜやっているかはそれぞれ違います。
その”何故”、"文脈"の発見に
人生において「希望」ともいえる
光明があると思うのです。
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