「一番好きなこと」を仕事に出来ない理由ー死なないために絵を描いているー

私はうつの最中でもデザイン関係の仕事はしますし、絵も描きます。それをやっているうちは「これが完成するまでは絶対に死なない」とか「無事に納品が出来るまでは死なない」というつもりで頑張れますしね。


すがるような気持ちでやっていますが、これを頑張れたら「死にたい」っていう誘惑には絶対に負けなくなるから…。そういうのがささやかな自信になるから、と思っています。絵を描くというのは精神のバランスを取るためには必要不可欠なことなんですね。


もしかしたら私、双極性障害になってから、結構「死なないために描いてる」のかもしれません。ある意味命がけ?…とかいうと大げさすぎるけど(^_^;)




参加する予定でいたイラストの展示会はなんと今年は休みだそうです…。がっくり…。来年に確実に開催される保障はないけど、来年のためにも引き続き描くつもりはしていますが…。この展示会は海外展もあったりしたので、そういうのがいいなあ、と思っていたんですが…。まあ、仕方がありませんね。3年続けて参加させていただきました。


で、今年の入賞者さんたちを見ていると、なるほど、という方々ばかりでした。すでに雑誌などの挿し絵を描いていらしたりとか。納得しながらまた改めて思いました。私にはニーズに応えて商業的な作品を描く技術って多分ないなあ、と。


私は学者とエンジニアが多いうちの家系ではむしろ異端です。芸術系の遺伝的才能はないように思います。もともとは漫画を描いて同人誌活動をしていました。今はもう、漫画を描く体力も気力もありませんが…。きちんとした「絵画」を学んだこともありません。デザインの方もデザイン会社で働きながら独学で覚えましたし。美術系の学校に行っていたところでどうだったかわかりませんし、もとより受験すべき年齢には病気療養していましたし。





今年、自費出版でフルカラーの画集を出しました。このあいだ画集をもらっていただいた社長さん(昔お世話になったデザイン会社の社長さんです)に「独特の世界観」と言われました。その「独特の世界観」は私が本当に「描きたくて描かずにはいられなかったもので、おそらくは精神的なバランスを取るためにも有効な作用をしたもの」だと考えられます。





「こういう世界を描いて欲しい」と言われて、それが私の世界観の延長戦上にあるものならまだしも(実際にそういう場合はいままでも、いまもこの先もお仕事をお受けしてきましたし)まったく違うものだったら、たとえば小説ならば、読者としてその作品に惚れ込んで、「是非とも描きたい」と思った場合は描けそうですが、そうじゃない場合は多分無理です。





「絵を描くのが好き」と言ってもいろいろあって、本当に全般的に好きで何事も器用に描ける人は仕事をするのに向いていると思います。人物は得意じゃないけど、風景画なら…という方は、それはそれで活躍の場があるんですよね。


私の場合「一番好きなこと」が「それがなければ生きていけない」ほど生死に直結していて、だからこそ、それを守らないといけないから仕事にも出来ない、っていうのは厄介なタイプかもしれません。


美術史や歴史に名前も作品も残さなかったけど、こういうことで悩んだ人ってきっといたと思います。とりわけそれが精神疾患と結びついていた場合はね…。切実さのようなものが痛いほどわかります。


私もこれだけは、物心ついてからずーっと何十年続けてきて、それが私の一部になっているのは確かなので、死ぬまで描き続けるつもりです。仕事とかそういうのじゃないですね。なくてはならないものです。




現実問題として、その「一番大切なものを守るために」それを仕事にせずに生きて行こうと思ったら、二番目や三番目以下で、あんまり無理なく嫌いにならずに出来ること、をやらないといけません。で、そちらを仕事にするんだよね。いまのところはそれがデザインです。web素材も作りますが、基本的にはグラフィックデザインです。




まあ、「好きなことを仕事にする」とか「好きなことは仕事にしてはいけない」とか色々と論争されていますけど、けど、案外私みたいな人間にはそういう単純な問題じゃないのかもしれない、と思いました。なにしろ生死に結びつくことだから…。


やっぱりアドラー先生みたいに自分を見つめて、他人の価値観に左右されないように選択しないといけないなあ、と思います。


2番目以下に好きなもの、わりとたくさんあって、またそれなりに悩むんですが… (ーー;) いろいろなことをしてきたから、いろいろなスキルはあるんです。好きか?と言われると必ずしもそうじゃないのが困りますが…。




正直なところ障害者年金だけでは生きていける額にはならないので、少しでもフォローのための収入が必要です。現在はあまりにもほそぼそ過ぎるので、もうちょっと気合いを入れて捜そうかと看護師さんに相談しているところですが、体調との兼ね合いがあって、ハードル高そうです、年齢的にも… (ーー;)  


でも絵を描き続けたいので、なんとか頑張ろうと思っています。





著者の藤本 恭子さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。